ハンナとハンナ 公演情報 ハンナとハンナ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    素晴らしい秀作に涙しました
    フライヤーから想像した通り、「モジョ・ミキボー」の女の子版的ストーリーでしたが、それ以上に、描かれた世界は哀切な感情を湧き起こす芝居でした。

    全くの2人芝居。双子のお2人だからこその、ハーモニーの美しさが随所に光る、期待以上の秀作舞台で、2人の舞台挨拶が終わった後も、拍手は鳴り止まず、再登場したお2人の清々しい笑顔に、心が洗われました。

    公演期間が短かったので、是非、また再演してほしい作品です。

    それにしても、2人の声の美しさには感動しました。

    ネタバレBOX

    あの「二人っ子」のマナカナちゃんが、もうこんな素敵な大人の女性になったかと、まず感嘆!実は、お二人の舞台を観るのは初めてでした。

    人間性とかでは以前からファンでしたが、こんなに実力を身につけた女優さんに成長されているとは思っていませんでした。

    イギリス、マーゲットに在住のイギリス人ハンナと、コソボ難民のハンナの、16歳の同名少女の出会いと別れの物語。

    イギリスのハンナは、佳奈ちゃん。キュートな現代少女振りが可愛い!
    コソボのハンナは、茉奈ちゃん。コソボで、悲惨な体験をして、どこか陰を引きずっている。
    名前は一緒でも、立場や体験が異なる二人は、反目しつつも、ある事件で、心が通じ合い、お互いに、音楽好きで、一緒に楽しく歌って、一気に仲良くなるのに…。

    舞台は、素舞台。両側の映像が、観客の理解と想像を助け、効果的。
    ほぼ、二人交互の説明台詞で、ストーリーは進みつつ、時々、話の中の人物を演じる形で、進行します。
    小道具は、数個の大きさの異なるスーツケースのみ。
    簡易な舞台空間が、二人の少女の心の軌跡を、スケール豊に想像させる、秀逸な演出で、プロの演出の醍醐味を味わいました。

    二人が、時々歌う歌は、演奏つきもあれば、アカペラの場合もあり、その両方の歌唱とも、大変魅力的でした。
    二人の少女の人生の岐路で、歌う、アバの「マンマミーア」の歌詞が、見事、その時の二人の思いと重なり、この曲を聴いて、こんなに涙することになろうとは…。二人の心と声が一体化して、胸を打つ、素晴らしい歌唱でした。

    声高でなく、こういう静に、民族の争いや、戦争の悲惨さを、語る作品こそ、本物なんだと、また強く感じて、本当に、見逃さずに済んで良かったと思いました。

    佳奈ちゃんは、コメディエンヌとしても、楽しみな女優さんでした。双子のお二人が、キャラクターの違う少女を共に好演され、また楽しみな女優さんをみつけたと嬉しくなりました。(今更ですけれど…)

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