公演情報
「半永久的なWIFE」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
普段あまり観ない“ジャンル”の芝居だが、<喜劇>一筋30年の劇団NLTは3年前池袋の小屋で「劇場-汝の名は女優」を観ていた。年増女と疎まれる元(?)大女優が、彼女が入れ揚げている若い男と新人女優に裏切りを食らうも最後は舞台上で勝負、見事一矢報いて拍手喝采の爽快な舞台だった。先日話題になっていたルー大柴主演舞台や、少し前の賀来千香子主演舞台など著名俳優を招いてのプロデュース型も多いようだが、今回は昨年開業した「オメガ東京」という小さな劇場で「劇団公演」の趣き。演目は劇団主催戯曲コンペの受賞作という事で全くの未知数である。予測不能なタイトルに惹かれたが、意味じたいは内容を割と忠実に表していた。
装置もお芝居チックな室内劇は、劇団代表の川端氏が片割れを演じる老夫婦の奇想天外な近未来家族ドラマ。貫禄ある二人の比較的自然体な存在感に、周囲の面々がキャラと個性豊かに茶々を入れる。メイド・ルーシー(察しの通り英語圏のどこかが舞台だ)、営業員ジュリア・ロボッツ、修理担当マイク、数十年ぶりに帰還した娘オリビア、その夫の残念男ジョージと、周辺の役を担う俳優が特徴的だ。「如何にも」なキャラ、際立つ個性を自分なりに見出し強調し、存在から滲み出る笑いの要素を磨き鍛えているのがNLTの俳優だろうか。
序盤はこのドラマの奇抜な「設定」に移行するためのやり取りの部分が、脚本的には苦慮したと見える要素があるが、俳優の技量で乗り切ると、この設定を楽しむ時間である。だが予測可能でも予期しない事態が間断なく訪れ、「設定」自体が揉まれた末、あっても良かったのに無かった平凡な場面が現われて終幕。思わず「うまい。」と言う間もなく温かな闇に包まれた。「喜劇」とは愛を確認するまでの試験ないし前戯であり、照れ臭さを隠すボヤキの時間。時折目にする芝居は早々にボヤキその実ノロケの延長と悟られるが、本作は着想の勝利でノロケ要素が当初より除外されている。つまり未踏の変化を辿りつつ、回帰するかのような不思議な構造。大騒ぎな大団円だけが大団円でないと妙に感心した。結語(回帰)そのものは喜劇の王道なのだろうが「変化」の方に未踏の時間(未来)への希望が滲む、とは大袈裟だろうか。
ただ、小さな劇場とは言え客席にもっと客が入っても良かった。「喜劇」にこだわり、これを続ける事の苦労が過ったが、笑いの中には不屈の細胞がある、と感じる所がある。笑い、不可思議也。
満足度★★★★★
新人さんの戯曲ゆえに「少々荒削りな部分があっても致し方なし」という心配は一切無用、それどころかあまりの高い完成度に思わず「マジで!?」
いやなるほど、原作の良さを壊すことなく、ちゃんとベテランの地ならしがなされていた様で「そうじゃなきゃ巧すぎるよね」納得です。
見事なほどに気持ち良く追っていけるストーリー。
少し先の未来を思わせる無国籍な感じ(何故か関西弁も登場)は、星新一をちょっとだけ彷彿。
観劇初心者にも優しい「分かりやすさ」を全然浅いものと感じないのは、心のひだに触れてくる言動,、滲み出る可笑し味と・・・これ自分ちだったら・・・と思いが巡る状況展開の面白味があったから。
お洒落な小劇場、役者さんの演技スキルはその枠に納まりきらないほど堂々たるもの。
全くもって贅沢な時間を過ごす事ができました。
「奥様に永遠の命を与えましょう」と持ち掛けるセールスマン。
「笑ゥせぇるすまん」に出てくる喪黒福造みたいのを想像していましたが意外にも美人セールスマン。
自分だったら「う~ん何かが違う。やっぱり契約しないな」・・・しかし油断すると心が揺らいできそうな絶妙トーク(笑)
もちろん契約成立するわけですが、さあどうなる!?その先への期待を膨らませる冒頭の手腕からしてお見事。
連れ合いを失うかもしれない、どうしようもない気持ち。そこに一石を投じる感慨深さと共に、しっかりコメディーな作品でした。