ベッドマン・スリーパー 公演情報 ベッドマン・スリーパー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    「悪意の将棋倒し」状態
    心霊的なものではなくて、誰もが持っている(そして普通は抑えることができている)「悪意」というものが、いろんなファクターによってどんどん増幅されてしまうという心理的・社会的なコワさたっぷり。
     
    まさに「悪意の連鎖」あるいは「悪意の将棋倒し」状態?(笑)
    しかも、他人の悪意を利用してやろう・増幅してやろう、と意図する「悪役」的な存在もいるのだが、それだけではなくネットやマスコミによってより増幅されてしまうというのがきわめて現代的で、そこに2ちゃんやイジメ、DVなどの現実も練りこんであるのでなおさらリアル。
     
    そんな内容の芝居を、いつもの「なワケねーだろ!」なナンセンスコメディでさえヘンに説得力があると言うか妙なリアリティがあると言うか、「もしかするとそんなことがあるかもなぁ」と感じさせてしまう表現力を以て見せるのだから、初日には泣いてしまったお客さんがいらしたというのもむべなるかな。
    コワい夢を見て寝汗をかいて目覚めたような感覚を堪能。

  • 満足度★★★★

    ザ・サスペンス劇場
    初見ではあるが、なんとなく観劇前に作り上げていた劇団の雰囲気からは大きく路線の異なった話だった。
    一言でいうと、すっげー面白かったかんね!
    小劇場で、こんな完成度の高いサスペンス?見せてくれるとはおもっておらず。
    恐くはなかったけど、展開にリアル感があって非常に興味深いお芝居でした。

    ネタバレBOX

    こういうノリの作品は、犯人が誰か、よりもその課程をどう描くか、なのだと思う。結末が分かった後では、全部予定調和に見えるものだ。
    前半のコメディのような雰囲気から、急に人が死んでいくという展開の移りがとても作品の濃厚さ?を上げているように思いました。
    そこに絡む利害や嫉妬、狂気。きちんと伏線をはりつつ、そういう感情を発露させていく課程が、非常にうまく、作品に引き込まれていきます。

    一躍有名人になる女の子、目立つ役所なんでしょうが、しっかりと役をこなしており非常によかったと思います。
    微妙な表情が、無邪気さの中に計算高さを隠している様子に、非常に説得力を持たせていたと感じました。(地のまんまなのかもしれないが。(余計))
  • 満足度★★★

    いつものカリバカとは異なり
    カリバカって、すごくなにかが巧みなわけではないと思ってて、
    過去の作品も「ウケてないのに引っ張る」「意味不明」などなど
    観てる方が寒くなる場面がいくつもあるわけです。
    しかし「臭い物を何度も臭ってしまう」的ノリで足を運ぶこと数回。

    今回はホント良くできてると思いました。
    前半のおとぼけも、どっちらけになるほどのものではなく、むしろ
    後半の猟奇性の現実味をいっそう感じさせるものになってました。

    ただちょっと火サス的に、途中でなんとなくストーリーが読めちゃう。
    「一番怪しくない人が一番怪しい」的な。ま、それは仕方ないか。
    これからのカリバカがちょっと楽しみになりました!

  • 満足度★★★★★

    怖かった
    最初は笑いありのコメディ調が悪いことの連鎖で
    ああも恐ろしく、怖くなるのか。
    様々な恐怖が押し寄せ…。
    観終わってからの客席のシーンとした静けさ。
    身動きできない、緊張感があたりをつつみ
    終わってもまだ 悪夢が続いているかのようで・・・
    圧倒的な救いのなさ。だけど、階段でむかえてくれる役者の笑顔にホッ。
    怖いけど深いそんなお話でした。
    すごかったです

  • 満足度★★★★★

    気がつけば・・
    今回のカリバカは一味違う。正直に怖い話が嫌いな人はオススメしません。怖かった・・。正直にいうと俺はホラーは好きじゃなくて。ある程度自分でもこの程度のものだろうなと予想して、裏切られた試しがないから。

    ・・・そんな人は絶対観たほうがオススメです。
    まだ初日なので、ネタばれは観た後に見てください。

    ネタバレBOX

    今回、カリバカ初の2時間越え作品。カリバカお馴染みの客いじりも今回はありません。
    前半はこのまま終わっちゃうのかなぁと時間を感じられるほど、じんわりじんわりとストーリーが展開してきます。ある程度思考に余裕がありますが・・

    後半ラスト30分はヤバイです。
    先の読めない怒涛の展開、けれど無理のない構成とキャラクター。
    そして本当に怖いものとは。

    いつの間に終わったのか・・・それすら思考が気付けないまま
    気がつけば客電が付いていたのに、誰一人動く気配がしなかった緊張感。

    あなたも体験してみてください。
  • 満足度★★★★★

    久々、大絶賛!!!
    いや~・・、ちょっとビックリ!!

    久々、大絶賛!!!

    泣かされる作品でしばしばフルマークを付けましたけど、そうでない作品でこれだけ高い評価を感じるのは久々!

    いや~、素晴らしい作品、素晴らしい劇団を見つけました!

    本日初日、公演中なので、感激は以下ネタバレBOXに・・。

    ネタバレBOX

    いや~・・・、ビックリ、ビックリ・・。

    個人的な好みの傾向もあるのかも知れないけど、ここまでビンゴの作品はちょっと久々・・。

    ストーリーはいいけどラストは・・、役者さんはサイコーなんだけど・・。
    過去、幾多の素晴らしい作品に巡り合ったけど、大抵どこか、そんな余白を感じたりもしてたのだけど・・・。


    この作品は非常に高いレベルで、ほとんど全ての要素において、自分としては最高点を付けられる、それくらいのインパクトがありました。
    決して強引過ぎる展開でもない、強烈なキャラに吸い込まるのでもない・・。
    でも、う~ん・・、なんだろ・・、全てにおいてほぼ完璧!!


    全体の構想、よく練られたストーリー、巧みに張られた伏線、最後のドンデン返し、冒頭の穏やかさからはとても想像できない凍るような結末・・。
    そして、初日と言うのにいささかもぎこちなさを感じさせない役者陣の見事さ・・。

    いや~、ここまで全ての角度から錬度の高い作品は久々。
    時折見せる小ネタや笑いまで、ことごとくツボにはまった・・。
    作り手は、余程きめ細かいこだわりのある方なんだろう・・。

    ツノダ役の役者さん、演技は勿論のこと、セリフ、間の取り方など、もう最高に素晴らしい!!・・。

    こういう作品、劇団を見つけると、あぁ、劇場に足を運んで良かったな、と嬉しくなる・・。

    劇場を出た後、頬を嬲る風が冷たかったが、興奮冷めやらぬ自分には、それもとても心地よく感じられるように思えた。
  • 満足度★★★★

    恐怖恐怖恐怖。
    正直甘く見てました。やばいですこの劇団。
    結局人間が一番怖いとか、その程度で終わるのかと思っていたけど、
    終盤にかけてのあらゆる種類の恐怖の連続にやられました。

    久々に予想される先の展開に眉をひそめ、手に汗握りました。

    閉幕後も微動だにできない緊張感が会場を支配していました。
    マジで怖かった。
    芝居をここまで怖くできるとは。感服です。



    ネタバレBOX

    芝居の限界が見えない芝居でした。
    例えば刺されたり、首吊ったり、

    そういうのはやってる振りで実際には不可能なことで、
    どうせ演技じゃんと斜めから見てしまいがち。
    そういう点では映像の方が恐怖を再現しやすいと思います。

    が、今日の客席で感じた現場を包むえもいわれぬ恐怖感。
    役者が感じてるだけでなくちゃんと客席まで恐怖が伝わってくる。

    一番怖かったのが、(たぶん制作サイドは予期せぬものだったと思うけど)

    首吊りの人形がぶら下がっているシーンの直後。

    暗転のなか、人形をおろす時の質量のあるものが落ちる音と衣擦れの音が一番怖かった。
    きっと本物を下ろす時もあんな感じなんだろうと。
    戦慄しました。

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