公演情報
「海越えの花たち」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
戦中、朝鮮人と結婚し、そのまま海を渡った女性たち。
1945年8月15日にすべてが変わる。
国ができたことで「帰国」する夫について、北や南へと。
終戦、朝鮮戦争、国交回復で彼女たちは翻弄される。
満足度★★★★★
鑑賞日2018/06/20 (水) 19:00
座席L列6番
価格4,000円
戦時中に韓国に嫁ぎ終戦後20年も彼の地に留まらざるを得なかった4人の女性を中心に描いた物語。
ナザレ園のことを知らなかった身としては今まで考えたこともなかった題材で、なるほどそういうこともあったのだな、と改めて「学ぶ」感覚。
そうして、史実をもとに「あんなことを二度と起こしてはならない」と警鐘を鳴らすのは井上ひさし作品や劇団チョコレートケーキの作品と通ずるものがありつつ、やはり独自な部分があるように思える。
ただ、場転後しばらく会話を注意深く聞いていないと前の場から流れた年月がワカらないのがややストレス。
例えばこまつ座のように明転前に字幕で次の場の時を知らせていただければ「前の場から○年経ったのか」と知った上で観ることができて内容に集中できるのに。
再演があるようならこの点も考慮していただきたく。
ところでツイッターなどで目にしただけで3件、冒頭で亡くなった人物を勘違いしていたとの感想があったが、直感的に正解を察していたのは幸いだったのか?
また、「戦争がもたらした悲劇」には戦争が直接引き起こしたものと、それまでは潜在していたが戦争によって顕在化したものが原因となったものの二種類があるのではないか、そして本作は後者による部分が大きいのではないか?などとも考えた。
作家は多くの時間と労力をかけて、綿密な取材とともに氷山のごとく膨大な
資料の丹念な読み込みを行うが、作品としてあらわれてくるのはその一角にすぎない
ということを重々承知した上でいうと、ストーリー展開は予定調和的で
テレビドラマ向きのスタイルになっており、陰影に富んだ演出も手堅くはあるが、
台本と演出との相性はいまいち。
その分、それぞれの俳優の持ち味がうまく引き出されるようなつくりに
なっていて素早い場転への参加も含め出演陣の奮闘ぶりが際立っている
(半海さんの怪演も含めふり幅のある演技、桑原さんのはじけた演技などは
なかなかのもの。下ネタギャグはほとんど半海さんが一手に引き受けているが、
台本が生真面目すぎてゆとりがなく空回り)。
背景の舞台美術の使い方なども秀逸。舞台空間全体に対して実際の演技空間が
比較的狭く空疎感というかスカスカな感じはあるが、これはこれで登場人物たちが
内面に抱える孤独感、疎外感、絶望感などを漂わせ訴えかけている気がしない
でもない。
紀伊国屋ホールは座り芝居などをされると特に前方の平間の客席からは演技が
非常に観づらくなることがあるが、今回、装置の一部にもなっているある程度
高さのある可動性の台の上で主に演技がされていて客席からほとんどの演技が
観やすくなるよう配慮されているのも好印象(ただ、オープニングとエンディング
の特に下手側で、この演技台の高さがかえって邪魔をしているところもあるが)。
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/20 (水) 19:00
日韓併合後、朝鮮人と結婚し半島に渡った日本人妻達の姿を描く力作。実在する「ナザレ園」を扱いつつ、激しい4人の女性のそれぞれの物語をタイトに展開する。時間軸がしばしば飛躍するのだが、物語的には、いかにもありそうな(起こっていそうな)エピソードの連続で説得力はある。ただ、冒頭と最後のシーンの時代は、若い世代には分からないのでないかと、少し気になる。日本人妻を演じた4人の女優はいずれも熱演だが、最近は作家・演出家として大きな仕事をする桑原裕子が、純粋に女優としての力量を確実に表現してくれているのは嬉しい。西山水木をもう少しフィーチャーしてくれると良かったようにも思うが、石村みか演じる主人公の最後は切ない。