ツチノコ村 〜深き欲望の果て〜 公演情報 ツチノコ村 〜深き欲望の果て〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    夏らしいブラックユーモア
    WHATCOLORの第10回記念公演の総合演出を担当してくれた、ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)さんが、神保町花月で脚本・演出を担当すると聞いて足を運んだ。

    ブラジリィー・アン・山田さんが神保町花月の芝居に関わるのはこれで2度目。前回は、演出だけだったのだが、今回は脚本も担当するという事もあり、とても楽しみに劇場に足を運んだ。

    ブラジリィー・アン・山田さんらしい、ブラックな物語になっていた。

    平和そうに見える家族の裏に潜む様々な感情を、ストーリー展開の中で丁寧に織り上げて行く構成は見事で、単なるお笑い芝居にとどまらない、とても良い作品になっていた。

    ブラックユーモアという世界観が、この劇場のお客様に受け入れられるのかという事も含め、アン山田氏の果敢に責める心意気が伝わってきた。

    実際お客様は見事に物語に引き込まれていたように思うし、その中で良く笑っていた。

    驚いたのは、このシュールな脚本の中で、芸人さん達が役を演じながら、ちゃんと自分達らしい笑いをとろうとしていたこと。その芸人根性に感動した。

    しかし本当におもしろい脚本だった。

    これを私の周りの俳優達でやったら、それはそれでずいぶんおもしろくなりそうだなと思い、勝手なキャスティングを妄想して楽しませて頂いた(笑)。

    今回は、ブラジリィー・アン・山田氏の底力を感じた作品だった。

    山田さん、うちの作品もヨロシクです。

    ネタバレBOX

    父親を失い、兄に逃げられ、懸命に畑を守ろうとする次男の葛藤を中心に、三男の嫁が心に秘めた長男への思いや、ツチノコを使って一儲けしようと企む長男のしたたかさなど、アン山田氏らしい人間の描き方はさすがだった。

    恒例の気になった俳優シリーズだが、今回はほとんどのキャストが芸人さんだったので、女優の二人、岡田亜矢さんと鈴木亜季さんをあげたい。

    客席の9割以上が女性、しかも芸人さん達のファンというアウェイの中、その彼女たちにも嫌われず、かつ、物語を素敵に見せていくというのは、本当に大変だと思う。

    もちろん、脚本や演出にもよると思うのだが、彼女たちはとても素直にそれをやれている感じがとても良かった。

    岡田亜矢さんの魔性の女ぶりは、とてもかわいらしかった(笑)し、鈴木亜季さんの老け役のお母さんぶりは素敵だった。

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