満足度★★★★
数年前web上でパパ・タラフマラの名を知り、どうやら評判のユニットらしいので「みたい!」と公演を調べたのが、解散前=最終公演の楽日前日だった。ニアミスを悔いてから数年、小池という人がそうだと耳にして、漸く鑑賞に至った。
ベースは舞踊だが、舞踊の割合を削って、多要素(音楽、演劇的シーン、うた、大道芸=ジャグリング、またはそれらを組合せたもの)を配置している。これには「舞踊」を一要素に過ぎなくする、つまり舞踊のステロタイプを解体する意図があったのでは・・と推測した。私としては、歌やジャグリングがあっても全然良いが、もっと舞踊としての完成、全うを欲するところ、そこに至ってくれず、寸止めで終わるという感覚であった。
パパ・タラの過去動画を見ると、やはり様々な要素・・音の変化に応じた変化、静止画として見せる場面(演劇的に凝縮されたシーン)、歌(ホーメイやブルガリアンボイス的な奴とか)などが舞台にぶち込まれていて、今回の出し物が確かにその延長にあると感じさせる。が、違いがやはりある。過去作品は舞踊の発展形としてではあるが「あるもの」を表現しようという目的への集中が明確で、アートであった。
一方、今回は「世界漂流」というタイトルが示唆する「寄る辺なく漂う我々」のありようにイメージを重ねる事はできるものの、世界を線(あるいは面)で切り取る作業の果てに見えて来る「何か」は、ぼんやりしている。
意味的に同じ線(方程式の傾きが同じ)が引かれて行くせいか、像が絞られて来ない。
もっとも抽象表現を受け止める受け止め方は多様にあり、ど真ん中を当てられた人もいたのかも知れないが・・私には少々抽象度が勝っていた。
「集中」という事で言えば、舞踊のベースに上モノを乗っける作業でなく、ベースが何であるか判らなくしている、という面があっただろうか。しばしば「歌う」場面になるが、本域で、あるいは日常感覚で、歌ってしまうと「演劇」的、「舞踊」的には弛緩の時間となる。時間というテーブルの上に、歌を「かぶせる」「浸潤させる」でなくただ横に並べたに過ぎなくなったのではないか。
パパ・タラ時代と異なる様相が生まれたとすれば、方法論じたいにその問題が含まれていた、という事ではないか。・・勝手な推測だが。
俳優たち。仏、フィリピンかインドの外国俳優2名と、個性ある風貌・体型の俳優ら十余名が、舞台上にほぼいつも居た。一旦はける事はあるが比較的すぐ出て来る。一つの絵を作る構成要素という意味があるのだろうが、例えば演劇的な場面が作られると、不要な人員がコロスのようにそれを見ていれば良いと思うがそれがなく、動くにせよ動かないにせよ、やはりそこで「芝居」をしている。従って総員が何らかの役を演じるという具合になっている。その時、実は各人は何らかの役を担って存在し続けていたのだ、という事になる。それは、全員が一場面を作るのでなく、各所でそれぞれ何か芝居的な関係を展開させているため、少なくとも皆一つは役を当てられているのだろうと推測させられるし、実際そうだと思う。
この役たちの物語が、演劇としての説明が足りないために十分に展開しない、というのも憾みである。
パフォーマー達の力量は確かだが、舞踊として完結しきれなかったのは全員が踊る事にしているので、(不得意な人もいるだろうから)多くを要求できなかったためだろうか、あるいは実はダンサーは少なかったのかな、など、あれこれ考えてしまった。(それにしては巧いが。)
舞台上に誰も居ない時間が、ほとんどないのは落ち着かなかった。居る時はほぼ全員居り、場面転換時に一旦皆がはけたりすると、漸く一区切りつくという感じになるが、程なく一人、また一人と現われて来る。舞台全体として「何か」を表現するというより、出演者のための舞台?
気持ちの良い動きや場面も沢山あったから良いではないか、と思いもするが、やはり何か不満が残ったというのは、何だろうかと考える。
それでふと思ったのは、舞台というのは、演劇は特にそうだが舞踊であっても、その場でその時間を過ごした共感が即ち「感動」の中身なのではないか。もっとも、感動をすぐ言葉で分かち合う事は難しいかも知れないが、人に喋りたくなるその体験は、例えば客席に自分一人しか居なかった時、同じ感動が起きるかと想像すると、「自分一人に見せてくれた」という別の感動はありそうだが、つまりは、何らかの共感を体験したという確信が、「感動した」という感情にとって重要なのではないか。
・・何が言いたいかと言えば、「解釈は人それぞれ」と突き放されると感動が薄まる理由は、「今どういう体験を共有したか」の確信が萎えるからではないか。共感・共有は、その表現が意図する「良きもの」を確信に変え、日々の力とするためにこそ必要であり、演劇が尊い芸術である所以はそこにある。
従って、私はこのパフォーマンスで例えば、「我々は厳しい時代を生きている」、あるいは「我々はどこに向かうのか何もわかっていない」、または「我々の時間とはこの世界を漂流するという事に他ならない」・・何でもいい、そのどれかを観客と「共有」できたと思えたらきっと嬉しかったなぁ。
実際、何の比喩であるのか分からないパフォーマンスが多かった。比喩を狙っていないのかも知れないが。
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【「2030世界漂流」観覧後アンケートより③】 上演期間中、たくさんのお客様がご感想をお寄せくださいました!ご協力本当にありがとうございました! ***アンケートより一部掲載させていただきました***... https://t.co/vhzYIUK80C
7年弱前
【「2030世界漂流」観覧後アンケートより②】 上演期間中、たくさんのお客様がご感想をお寄せくださいました!ご協力本当にありがとうございました! ***アンケートより一部掲載させていただきました***... https://t.co/89O9gbho7G
7年弱前
【「2030世界漂流」観覧後アンケートより➀】 上演期間中、たくさんのお客様がご感想をお寄せくださいました!ご協力本当にありがとうございました! ***アンケートより一部掲載させていただきました***... https://t.co/T7LBMzwHAi
7年弱前
「2030世界漂流」…やっぱな、やっぱそうなんだよ。全くもって無知なおれが観ても、物凄い揺さぶられたもの。昨日は声の仕事だったけど、あんなのを見せられて、おれは一体自分の口からどう言葉を発すれば良いのか、分からなくなりそうで。でも… https://t.co/o2itw9Yk1a
7年弱前
渋さ知らズTの このおかっぱちゃんに似てるて 2030世界漂流の稽古中めちゃ言われたぞ (サックスの太田豊さんも元渋さ🎷✨) おかっぱともお別れか…💇 https://t.co/40Tidv4Roz https://t.co/WDNwfOegCa
7年弱前
忘れないうちに昨日観た2030世界漂流の話。最初から最後まで心を揺さぶられました。終わらないで、、どこかへ行かないで、、!とあんなに登場人物全員を愛せる舞台はそうそう無い。フィリップさんが登場した瞬間から涙がこみ上げて来たのは何だ… https://t.co/wMCw4yDoyh
7年弱前
鹿児島、恵比寿、インドとお世話になって大好きなりえぞさんの出演されていた「2030世界漂流」を吉祥寺シアターで観劇。りえぞさんの凄さを目の当たりにした。美しかった。こんな人とデュオ踊ったんだ私と思うと信じられない。小池さんの作品を拝見するのはパパタラフマラ解散以降初かもしれない。
7年弱前
昨日は劇団員 青木賢治が出演させいただいている 『2030世界漂流』の千穐楽でした。 遠路遥々ご観劇にお越しいただいた皆様 誠にありがとうございました! 全12回の公演を大好評のうちに無事終えて 青木賢治も明日から... https://t.co/XMgzp9m4gQ
7年弱前
昨日の今日で、HOMEについての劇。小池博史ブリッジプロジェクト「世界漂流2030」。昨日の相馬農業飯舘校演劇部「サテライト仮想劇」も。住むに家なく、故郷なく。
7年弱前
大切なことを書きそびれておりました、 おかげさまで無事 2030世界漂流 幕を下ろすことができました。 千秋楽も二階席まで満員御礼で 心より感謝いたします。 ボイスパフォーマーとして 今後とも どうぞよろしくお願いいたします。 https://t.co/foKWm7Slru
7年弱前
『2030世界漂流』 無事全員で12公演生き抜きました。生き抜いたという言葉が相応しい公演になったと思います。 ♪この世界ブルーに染めろ twenty thirty blues♪ ありがとうございました。 photo b… https://t.co/MQX2rX84bd
7年弱前
無事終わりました。 2030世界漂流。
7年弱前
小池博史ブリッジプロジェクト「世界漂流2030」昨日の相馬農業飯舘校演劇部「サテライト仮想劇」もHOMEについての劇ダッタノデ。
7年弱前
本日をもちまして「2030世界漂流」は終演となりました。 吉祥寺シアターへご来場いただいたお客様を始め、流山の公開稽古、twitterやFacebook、Instagram等のSNSや、記事等で応援していただいた皆様方。 本当にあ… https://t.co/aq9chKybTq
7年弱前
私が中学生の時、舞台俳優を目指し始めたばかりの頃からお世話になっている青木賢治さんが出演している小池博史ブリッジプロジェクト「2030世界漂流」見てきました😄😄すっごく面白くてイマジネーションを働かせながら食い入るように見ていまし… https://t.co/e1aQSyTLV8
7年弱前
2030世界漂流。谷口界くんと音楽ばっかり見てしまって全体が追えなかった。時間とお金さえあれば何回か観たいやつだ。界君ぐらい身体能力が高くて、物が使えて、演技もできる人って日本では他にいないんじゃないかな。 https://t.co/kqUFXHYU5E
7年弱前
2017年の大道芸界に軽〜くセンセーショナルを起こしたホワイトアスパラガス(白ガス)の界くんが出演している『2030世界漂流』を吉祥寺シアターに観に行ってきました。久しぶりだったけど舞台で観る界くんもやっぱいいなぁー。フィリップ・… https://t.co/Hz85cptGFJ
7年弱前
2030世界漂流 演出、振り付け、照明、音響、演奏、キャスト、などなどそれぞれ掘り下げて考えたくなる仕掛けだらけのパフォーマンス。面白かった!まあちゃんお疲れさま! 場所: 吉祥寺シアター https://t.co/h1l6vawew7
7年弱前
さて、久々タミヤ号とのデートの行き先は『2030世界漂流』でしたよ! ほぼ台詞は無く生歌生演奏と身体表現で紡がれる漂流者達の世界。勿論皆様素敵ですが、荒木嬢が超絶カッコ良かった!そして開演前のインスタレーションも美しかった!あーゆ… https://t.co/PwL72mrTBY
7年弱前
小池博史ブリッジプロジェクト 『世界漂流2030』観てきました! 圧巻の世界観🙆♂️✨✨ 甲斐美奈寿とのツーショット📷 お疲れ様〜😆!!!! https://t.co/fmnHUcJvxt #世界漂流2030 #甲斐美奈寿
7年弱前
ブリッジプロジェクトでは『注文の多い料理店』『風の又三郎』『2030 世界漂流』が好きです。 パパタラは解散が近い2010年から観始めてあまり沢山の作品を見ているわけではないけれど、"SHIP IN A VIEW"には人生を救わ… https://t.co/1s91xm9Sib
7年弱前
『2030 世界漂流』は今日が楽日か。 これ、おすすめですよ。 ふと、自分、パパタラの"Nobody, NO BODY"の時からやたらリツイート魔だったな、と思う。あれ2010年かー。 https://t.co/NX5spBaMHv
7年弱前
2030世界漂流 後輩たちの活躍もうれしかった! こちらは大道芸のspecialist もはやベテランだね。 小池さんの舞台の上で生き生きと立っているみんなの姿をみるとがんばらねば!と思うょ。後半のユニゾン音楽と空間と… https://t.co/VpUnYPgP5M
7年弱前
ファミリーのフィリップ出演中の舞台 を観劇。19歳から18年間お世話になった小池さんの舞台に出ているフィリップを見て不思議な気持ち。濃厚で緻密で鮮やかで生々しい素晴らしい作品でした!!フィリップ… https://t.co/q19GRW405t #ワンダースリー
7年弱前
ラスト2回! 13:30/18:30開演です! 当日券ございます◎ Super Theater小池博史ブリッジプロジェクト 『2030世界漂流』 十二年後の霧の向こうにいるあなたと世界のための希望のブルーズ どうぞお見逃しなく!! https://t.co/M5sWSn1Mjp
7年弱前
2030世界漂流、千秋楽です! 今日は特に…すんごいの出ると思います。 13:30 / 18:30 の二回公演。 チケット、まだ若干ご用意あります! ギリギリでもなんでも構いません、私にご連絡頂ければ嬉しいです。 以下は、松尾貴… https://t.co/EDeoVHcp9F
7年弱前
【「2030世界漂流」本日千穐楽!!当日券あり!!】 11月20日初顔合わせ 11月27日稽古開始から 演出家小池博史の舵のもと 「2030世界漂流」の旅をしてきた 総勢13名のパフォーマー×音楽家3名... https://t.co/RREobuK8h6
7年弱前
以前通っていたところで出逢った小池博史さん作演出の舞台 「2030世界漂流」 今日観に行くのだけど楽しみすぎて、まだ観てないのに観た人の感想をたくさんいいねしました あの1年のいろいろ、卒業公演の稽古期間、本番. もう経験したくな… https://t.co/sGNtkAza8J
7年弱前
【まだまだ観たい「2030世界漂流」最新舞台映像⑬】 『出来合いの、芝居もダンスも、ここにはない。』『じつに素晴らしい舞台、演出』 【後藤 繁雄 (Shigeo... https://t.co/IQA0eJH0i8
7年弱前
『2030世界漂流』 こんな素敵な作品なかなか出会えません。 明日たったの2回で終わってしまいます。 日々更新され続ける作品。絶対お見逃しなく!! 明日は13:30/18:30です。 チケットご用意出来ます!ご連絡お待ちしており… https://t.co/0c37A4YBb3
7年弱前
@Nucky99 ぬっき〜さん!特等席のご案内ですー! 現在上演中の公演『2030世界漂流 』実はは、車椅子席が… 私の定位置の、目の前なんです! 特等席ですよね!笑 吉祥寺シアターにて13:30と18:30の回があります。前回のオペラより出番も多いです✨ 是非お届けしたいです♪
7年弱前
【まだまだ観たい「2030世界漂流」最新舞台動画⑫】 『肉体と肉声に照明、音楽、全てが高度で緻密。頭の中で理屈が崩壊して、すこぶるプリミティブに想像が爆発します。』... https://t.co/MtF2uVMtkB
7年弱前
昨日。夏のカゴメ劇場でご一緒した、日下麻彩さん出演【2030世界漂流】観てきました‼︎ 身体と音と光。無限の世界が広がっていました。興味深く楽しく拝見しているのに突然やってくる恐怖など…完全に飲み込まれておりました。結果歴史や人の… https://t.co/EpuUAp84HT
7年弱前
本日も観劇!大好きな先輩たちの出演する作品を観に、吉祥寺シアターへ。小池博史ブリッジプロジェクトの作品は「世界会議」以来なので、1年ぶり。今回も心が震えた!大好きな表現がたくさん詰まっていました! https://t.co/uDaM3vdPQT
7年弱前
祭美和ちゃん出演の小池博史ブリッジプロジェクト『2030世界漂流』を観劇! 複数の動きがシンクロすればするほど個を見せつけられる強い身体表現でした。祭ちゃんは身体ごと声帯全部を使って音を届けてくれました。別世界に連れてってもらった! 吉祥寺シアターにて明日まで🍀
7年弱前
昨日は、2030世界漂流を観てきました! 実はダンスはあまり観たことなかったんですが、またぜひ来年も見に来たいと思いました。表情もダンスの一部だということを感じました。最前席だったのでより細かいところを楽しめた気がします。客入れの時間も堪能してほしい…!
7年弱前
ご予約ありがとうございます。 2018年の「2030世界漂流」を是非ともお楽しみください。 題名なんて関係なくなるくらいのパフォーマンスをご用意して、劇場にてお待ちしております。 https://t.co/Py3MwlfslS
7年弱前