登場シーンでは、この長時間の芝居を乗り切れるのか!?と不安になるほど老いを感じた大竹しのぶが、終演する頃には軽い足取りで走っていた。凄い。根っからの女優を見せつけられた気分だ。
満足度★★★★★
演劇鑑賞初心者としては観ておかねばいけない作品の一つでしょう。無駄なひねりのないストレートな感動作でした。大竹しのぶさんは言うまでもなく、北村一輝さんも鈴木杏さんもすばらしい熱演でした。
ひねってあるのは題名くらいです。この題名からこのストーリーを想像する人は皆無でしょう。しかし非常に記憶に張り付いて忘れることのできない題名です。作者の狙いもそこにあるのでしょう。
この舞台の後でビビアン・リーとマーロン・ブランドによる映画版をアマゾンでレンタルして観ました(199円)。映画は良くも悪くも丁寧に説明してくれます。冒頭には実際にあった「欲望」行の路面電車も出てきます。当時の街の様子も分かって、私の貧しい想像力を補ってくれます。映画では最後にブランチは自動車に乗って去って行くのですが、舞台を観ているときはそういう時代だとはまるで考えもしませんでした。
しかし、どこの国でも一つの階級が没落し、別の階級が勃興することはしばしば起こることです。第二次大戦後のニューオーリンズに限定された話ではありません。そういう意味では国籍も時代も曖昧になる演劇・舞台という枠組みも悪くないと思い直しました。
初めてのシアター・コクーンは入口が分からず、ビルを一回りする羽目に。
*ミッチが「何を教えていたの」と尋ねるとブランチが "...English..." と答えるのを舞台では「英語」、映画字幕では「国語」としていました。私が訳者でもどちらにするか迷うところです。
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風姿花伝『THE BEAUTY QUEEN OF LEENANE』とコクーン『欲望という名の電車』。どちらも俳優さん・演出ともに層が厚く、受け皿が深く、強度の高い芝居!個人的にもっとも響いた違いは、ヒロインに感情移入した時、前者は… https://t.co/skUwHTFohB
7年弱前
12/23夜コクーン『欲望という名の電車』随分前に篠井英介さん主演で衝撃を受けた戯曲なのだけど、いやはや。過去作を追体験しながら新しく今作に没入できるという素晴らしい舞台体験をさせていただきました。ここんとこの疲れが吹き飛びました… https://t.co/VW725QU5lV
7年弱前
コクーン『欲望という名の電車』観劇。ブランチ(大竹しのぶ)を見ているとそわそわとしてしまう。傷つくとは、傷つけるとは、なんなんだろう。誰が良くて誰が悪くて、何が良くて何が悪いんだろう。ステラ役の鈴木杏さんが良かった、優しく引きずり込まれた。時代背景を知って観た方が納得感あり。
7年弱前