満足度★★★
切れ目。
職員室の中の静かなドタバタ劇。ただ、そこに嫌な切れ目がある。
そう感じさせたのは、不自然に場面が途切れる瞬間が多かったからだろうか。
どうも意識が繋がっていかない感じを受けてしまい、もやもやした。
長谷川戯曲の哲学とも違うような気がするし、そこは気にかかった。
それでも、青海衣央里が中国人妻を演じきったのは見事の一言。
やはり、弘前劇場は俳優陣の層の厚さが魅力の一つだ。
次作は新作とのこと。期待に胸震える。
満足度★★★
90年代を振り返る、「静か」な目
97年初演。おそらく、大きな改変は行われていないと思う。
90年代日本演劇の、大きな流れのひとつとして、平田オリザさんや長谷川孝治さんが代表とされる、いわゆる「静かな演劇」が、ある。僕は、リアルタイムでそれらを観ていないけれど、今回、「静かな演劇」というのは、90年代という時代と、非常に密接にシンクロしていたのだな、と実感した。
11月に新作を発表するらしい弘前劇場が、この作品を今、再演したのも、一度、90年代を振り返って、乗り越えるためなのではないかな、と思う。
それにしても、空いていた……。カメラが入って、長谷川さんのインタビューなんかも撮ってたので、NHKかなんかでやるのかな。