満足度★★★★★
脚本90点、役者の演技は100点満点をあげたい。
帰宅した今、何を語ってよいのやら迷うので観劇直後のTwitterから抜粋。
正直期待していませんでした。
公開情報で自分が把握していたのは赤い作業服の役者のみ。
劇場を見てもどうにも大型セットを組み込めるような場所ではなさそう。
劇場へ入りフライヤーを読んで
「密室に両手を縛られ猿ぐつわをされて椅子に座らされた見知らぬ男女7人」
という所から、静的な会話劇かな、2時間は長すぎないかな?
などマイナスイメージばかり(知ってる俳優さんも2人だけだし)。
そして間違えて別劇団の公演と思って同じお芝居を2公演取ってしまっていた事も、
もし駄作なら次回分のお金だけ先に払って次回観に来るのやめようかな、とまで。
しかし予想は見事なまでにいろいろな意味で覆されました。
※ ネタバレにならなければいいのですが。
これは「静の会話劇」なんかじゃない、めちゃめちゃ動きまくって
場面も変わっての「動の会話劇」、
セットの少なさは役者の演技力、そして観客の想像力をフル活用させられる。
舞台上には7人の役者と7つの椅子(一時的に8つかな?)、あと縄だけ。
それを7人が巧みに、あるいは情熱的に演じ分ける事で
いくつもの物語とキャラと場面が現れて、そして・・・
役者さんについてベテランから若手まで、どのくらいの範囲で分かれているのか
分かりませんし、上手さも均等ではありません。
しかし、ベテランはベテランの巧みさで、技量が足りなければ情熱や
自分の求められるものを演じきる事で、見事に舞台上の7人は総勢100人近い
主要人物からモブまでを演じ分けていました。
本劇を観劇していて、自分がお芝居に何を求めているのかを改めて考えさせられました。
舞台上で表現される物語と演じる役者の感情から来る「感動(感情を揺さぶられる事)」と
お芝居という限定されたセットで演じられる表現から発生する
無限の可能性、観劇側の想像力/感性をどこまで刺激し、その世界を広げられるか、
でした。
そういう意味で本劇は脚本/演出に90点、役者が見事舞台上で表現しきった世界には100点満点を
上げたいと思いました。