満足度★★★★
超口語調とでも言うべき普段使いの台詞がおぞましい程のリアリティ。それでいて芝居の重要な展開部分はきちっとした演技でまとめてくる構成がえらく面白かった
雲がかった物語が円環を描くうちに観客もいつしか気付いている過去へ進んでいく巧みな構成。
それはいつしか何でもない物語になっていくのだと。
小西耕一さんの声やしゃべり方、キャラは中毒性が高く、役者一人で舞台のテンポや色彩を変えられるのって凄い
土橋さんの良さは青春の綺麗なキラキラを漉き集めたようなイノセントな存在感だと思っているんだけど、過去と現在の対比の場面でその良さが効果的に使われていた印象。何でも無い現在が戻るべき未来なのか進むべき過去なのか、白い制服の土橋さんが印象的だった
この作品を観て以来「サマーヌード」がずっと、こめかみから額を巡る円周上で疾走し続けている。
残酷にキラキラと光る夏の物語がメロディとともに胸やけのように反芻を続けている。
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/15 (金) 19:30
価格3,000円
地方の高校でかつて天文部を創設した仲間たちの今、そして過去。一番のキモである部分は語らずに観客の想像に委ねる形なので観客同士見終わってから互いに解釈を語り合っても良さそう。また、暗転などなしに時制が変わるがほぼ察することが可能なのは巧い。
また、最終場だけ「アレ」なのも効果的。
ファーストシーンはこの少し前に観た劇団普通「帰郷」同様に演技エリアの上方の空間に「シーン」という書き文字が浮かんでいるようだった。そりゃあ開演から15分は遅れた客を入れない訳だ。で、こういうの、トレンド?(笑)
騒がしい会場でスピーチなどをする時に、最初は声を出さずに口だけ動かすと、聴衆が聞こえないと思って静まるので、それからやっと声を出すというテクニックがあるそうだが、それに似て、冒頭場面が静かだと観客の集中力がアップする効果があるかも。
満足度★★★★★
始まりが終わりだった。終わりが始まりだった。
ずっと、ずっと、あの夜にいるのかもしれない。
でも、きっと、けしてHAPPYではないけど、皆の様に、彼も前に進もうとして、進もうとしたけど、でも・・・。
観ていて、物凄く胸が苦しくて、でも、みつめていたくて、まだ、感想はまとまらず、ぐるぐると。赤い星がみえる時間になったら、今一度、想い出そう。
何故?「シゲル」はあれだけ狼狽しているのか。
段々、時が戻されてるようで
進んでいるようで・・。
「シゲル」冒頭。タオルをもって
怯えるような、憔悴しきってるような、今にも
死んでしまいそうな、ココロが壊れかけてしまってる様な
すがりたい、叫びたい、泣き叫んで、消えてしまいそうな・・・。
「チエ」はもう、居ない世界で、「シゲル」は生きていて。
でも、まだ、始まりのあの一緒に音楽を聴いた時からぐるぐる、ぐるぐる
何度も、進もうとしてるけど、周りがどんどん進む中
あの「時」のまま。
でも、進んでしまったのかと。
あの狼狽した「シゲル」は
誰を殺したのか。
殺してないかもしれない。
殺したのかもしれない。
「チエ」を忘れ、前に新しく進もうと決めた「コバ」を殺したのかもしれないし、違うかもしれないし・・。
2度目の「シゲル」はタオルをもって、音にならない
呟きを続ける
「シゲル」はあの時、何といっていたのだろうか・・・。
「懺悔」なのか、「言い訳」なのか、彼があの時
なんと言っていたのか・・・。
知りたいと強く思った。
「コバ」は優しかった。
仲間の中で一番、大人になったのが彼だったのかもしれない。
人を許し、自分も許し、「未来」と呼ばれるものを
目指したのかもしれない。
「チエ」を間接的であるのかもしれないが
交通事故で死なせてしまった「ケンタ」と「ユッチ」。
(私はそう解釈している)
止まっていた時間を動かしたのは、「コバ」だった。
もう、前に進んでいいと・・。
「ケンタ」も、「ユッチ」も苦しんで、でも、二人で
進もうとしていた。
仲間の中で
「シゲル」だけ、ずっと、ずっと、止まったまま。
止まりたい訳では無いかもしれない
就職、結婚、過去を忘れる訳では無いが
仲間は皆、進む。
「シゲル」は過去に「チエ」と話した一度も行った事の無い「東京」にいて
好きな芝居も、もう、辞めている。
「自分」はどこにいるのか?
止まった時を動かせずに、居たのだろうか。
星に願いを呟いても
そこには、現実しかない。
私は、ラストシーンで
「チエ」が「シゲル」の頭を撫でたシーンが一番好き。
あのシーンで、やっと、息をつけた気がした。
きっと、私も「シゲル」の頭を撫でてあげたいと思ったから。
もう、いいんだよって。
もう、忘れてもいいんだよって。
弱くってもいいよ。
忘れちゃうと消えちゃうんだけど、
やっぱり、進めないのは見ていて辛い。
だから、忘れちゃっていいんだよって。
https://youtu.be/HKh6XxYbbIc
ああ、言葉が出てこない。
私が今まで体験した事の無い感覚だった。
考えるよりも、
感じる芝居。
「自然」に演じるって一番難しい。
でも、このStraw&Berryの俳優の皆さんは
それを具現化している。
そこに、今回、本公演を初めて観て
衝撃的だった。
同じ経験は無いけど
同じ痛感を感じる。
そんな、芝居だった。
心拍数が尋常ではないほど上がったのは
自分でも予想していなかった。
危険だ・・。
なんだよ・・・、これ・・。
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/16 (土)
緊張感ある河西さんの死んだような演技から始まり、
遡って行く回想シーンが盛り上がっても、悲しくなる瞬間(飲酒)があって
替えられない過去と、思い出に囚われていく感じが伝わります。
河西さんが出演した「なっちゃんはまだ新宿」のヒロイン池田夏海さんのゲスト回
映画との関連もあって、個人的には面白かったです。
オマケ演劇「島貴族」で心を軽くしてくれる所は合わせ技で★×4ですね
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/18 (月) 19:30
河西祐介は頑ななロマンティストである。そのことを今回も思い知る作品だった。時間軸が前後する展開やエンディングの幸せ感が、余計に全体を包む悲しさ・切なさを増幅させる。やや強引な部分があるけれども、見ておいてよかったと思えた。
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/17 (日) 19:30
価格3,000円
無題2137(17-140)
19:30の回(雨)
19:00受付、開場。凹の座席(壁沿いは左右1列ずつ)。右辺奥に座ります。
ここからみると、目の前にテーブルと椅子、時計回りに、天体望遠鏡、天球儀、ベッド、
キャビネット(星関係の本)、テーブル、ソファ、アコギ、またキャビット。
19:26前説、19:31男がふらつきながら登場~21:01終演、おまけ21:05~21:14終演。
「ワンダーランド(2015/2@王子)」以来の3作目。
佐賀さんは6月に「海に纏わるエピソード(@上野)」
ゲストの方ですと(観ていない方も含め)、
池田夏海さん「歩行船(2015/3@キッド)」?
土橋美月さん「かわいいチャージ(2017/9@ミラクル)」「みっちゃんのことは~(2017/8@APOC)」。
鳴海由莉さん「宇宙船(2014/9@王子)」。
きっとお話の筋はシンプルなんだと思うのですが、時間が遷移するのと(文字通り)見えているものが変わらないこととがうまく調整できなかったため(しばらく前からこの傾向あり)、お話から相当遅れ気味となってしまいました。
並行して観ている「高校演劇(発表会)」の高校生たちから受ける印象が強いのでその影響があるのかもしれません。
なかなかいい色(茶:サンバースト)のギターは劇中ちゃんと弾かれていました。