木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』 公演情報 「木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.4
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    話がとっても良く分かって、本当に観に行って良かった。長かったけど、普通の歌舞伎にすれば、そんなに長くないし、苦じゃなかった。

  • 満足度★★★★

    木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談』千穐楽@池袋あうるすぽっと観劇
    物凄く、丁寧に準備をされた公演だと初見だったが感じた。日本人ではあるが、歌舞伎や古典に慣れ親しんでない自分が6時間。物語の中に没入し、時に笑い、時に涙し、時に驚き、そして、時空を超えて「今」目の前の舞台を楽しんだ。




    あらすじもさらっと読む程度で観劇。
    想像していたものより、自分が笑ってる事にびっくりした。
    勿論、演出の力だと思うが、肩に少し力を入れてたのでほぐれた。


    初めて観るきっかけは小沢道成さん、岡野康弘さんが出演されると言う事から。


    3幕がお二人の同じ場面があり、観ながら、なんとも、不思議な感じだった。小塩田又之丞役の小沢道成さん。討ち入りに行くことが出来ないとなった時の表現に、はっとした。手の甲の血管が浮き立ち、感情が湧き上がってくる。
    一幕のお色さんも、小沢さんの技量が出た配役だった。


    赤垣伝蔵役の岡野康弘さん。
    この方の安定感はとてつもなく、凄い。
    視線が穏やかなのにとても、まわりの空気を切るような気迫を
    漂わせる。





    お岩さんの愛が強ければ強いほど、観ていて、胸が痛い。ただ、好きなだけなのに・・。好きになった男があいつでなければ、親子三人で仲良く暮らせたのだろうか。今も、昔も、そういった感情は変らないものだと。素敵な時間が過ごせた。


    2幕のお歯黒を施すお岩さんの、姿が怖いよりも悲しい。
    見えない涙がほろほろと零れ落ちる気がした。


    「愛」を通そうとする、いろんな人間たちが
    滑稽でもあるし、素直でもあるし、人の本質でもあるかと。
    自分の想いの為に動く人たちと
    自分以外の人の為に動く人たちの
    対比も観ていて感じた。


    劇中の飛行機の音。ふしめ、ふしめで使用。
    あの意味は・・・と考える。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/05/30 (火) 14:00

    鶴屋南北の作品における「お岩さん」の怪談話はエピソードのひとつであり、
    実は当時の社会の縮図のような、濃密な世界を描いた作品であることがよくわかる。
    登場人物の個性が、それぞれの出自と生育環境の違いもあって鮮やかに描き分けられ
    その結果としての悲劇が際立つ。
    原作に忠実な現代語の台詞が的確で、普遍的な人の心情がストレートに響く。
    6時間の長尺にも拘わらず、アフタートークに残った人数が満足感を示している。
    いつもながらこれほど面白く、内容の濃いアフタートークを、私はほかに知らない。
    江戸の歌舞伎の時代性と勢いを、新しい装いで蘇えらせてくれてありがとう!

    ネタバレBOX

    おなじみ客席に向かって傾斜した舞台は、汚しの入ったような定式幕柄の床。
    もしかして役者さんは歩きにくいかもしれないが、
    この傾斜は本当にどこからも見やすく、奥行や距離感が解って好きだ。

    第一幕
    浅草寺境内で“ことの発端”がいくつか描かれる。
    伊右衛門は妻のお岩と復縁したいのだが、義父の左門は彼の素行の悪さを理由に拒む。
    お岩の妹お袖は、許婚の与茂七が主君の仇討ちの為、今は離れている。
    そのお袖に横恋慕する直助は、お袖と再会した与茂七の後をつけて殺害、
    伊右衛門も、激しく叱責されて左門を切り殺してしまう。
    お岩は父左門を、お袖は与茂七の亡骸を発見して悲嘆にくれるが
    犯人の二人はそれぞれ「敵を討ってやる」と持ち掛け夫婦として暮らすことになる。

    第二幕
    仇討ちを口実に復縁した伊右衛門とお岩、生活は困窮しお岩は産後の肥立も良くない。
    二人に仕える小平は伊右衛門の家に伝わる秘薬を盗んで伊右衛門に惨殺される。
    裕福な伊藤家からは度々見舞いの品などが届けられ、今日は薬がお岩に届けられた。
    が、その薬を飲んだお岩は突然苦しみ始める。
    一方伊藤家でもてなしを受ける伊右衛門は、大金を積まれて
    「孫娘の梅と結婚してほしい」と乞われるが、一度は妻があるからと断る。
    しかし、お岩に毒を盛ったこと、顔が変わるであろうことを聞いて決心する。
    お岩は失意のうちに命を落とし、伊右衛門は梅を妻とする。
    ある日、伊右衛門が釣りをしていると戸板が流れつき、そこには
    お岩と小平が打ち付けられていた。

    第三幕
    与茂七の仇討ちの為、直助と仮の夫婦になっているお袖は、
    ある日家にやって来た按摩からお岩の死を聞かされる。
    その夜お袖を訪ねて来た与茂七を見て、殺したはずなのにと、直助は驚愕する。
    与茂七を亡き者にしたい直助と、仇討ちを知る直助の口を封じたい与茂七。
    お袖は二人別々に策を持ちかけ、二人は隠れているのがお袖とは知らずに襲撃する。
    お袖は二人に詫びながら死ぬ。
    伊右衛門に惨殺された小平は、かつて仕えた又之丞が病のため歩けないのを
    何とか救いたい一心で伊右衛門の家から高価な薬を盗んだのだった。
    その薬を飲んだ又之丞はたちまち歩けるようになる。

    七夕の夜伊右衛門は美しい女と出会い、恋に落ちる。
    身を隠していた庵でその夢から覚めた伊右衛門は、ついに与茂七の手にかかる…。


    スピーディーな場面転換、ヘリの轟音でいや増す不穏な空気、観ている私も
    ロックとラップのテンポに巻き込まれながら登場人物と共に奈落の底へと転げ落ちる。
    忠臣蔵をバックに、凋落した一族と栄華を誇る一族の対比も鮮やかな人間模様。
    現代の比ではない格差社会の、やり場のない鬱積したエネルギーが
    負の方向へと向かっていく様がとてもリアル。
    登場人物はみんな少しズルくて少し依存して、でも優しいところもある。

    お岩(黒岩三佳)お袖(土居志央梨)の姉妹がたおやかで声も良く品がある。
    武家の娘である故の“仇討ち”に縛られる人生の哀しみが伝わって来る。
    按摩(夏目慎也)の、土壇場でお岩に対する態度の豹変ぶりがリアルで説得力あり。
    エネルギーがほとばしるような本音の台詞が迫力満点。
    第一幕で一瞬登場する按摩の妻を演じた小沢道成さんの
    「どこの女優さんか?」と思うなめらかな女っぷりに目を見張った。
    難病の浪士役にも色気があって、実に魅力的。

    出世のために愛する女を裏切り、結局すべてを失ってひとりになった男。
    「お前は何がしたかったんだ?」という問いかけが本当に虚しく響く。

    アフタートークでも語られたが、原作の台詞を忠実に現代語訳する
    卓越したセンスがこの作品のキモだろう。
    古典の持つ品格と下世話な猥雑さと、庶民の行き場の無いエネルギーの放出。
    それらを今に再現する木ノ下歌舞伎の底力を見た思いがする。
    杉原氏はキノカブを卒業とのことだが、また次の作品を見るのを楽しみにしている。
    何たって最強タッグにちがいないのだから。
    半日コース、楽しかった、ありがとうございました!








  • 満足度★★★★

    ネタばれ

    ネタバレBOX

    木ノ下歌舞伎の『東海道四谷怪談』を観劇。

    今作は鶴屋南北のオリジナルに沿って、抜粋版ではなく、通し上演で、公演時間は6時間だ。
    初演時は、「忠臣蔵」と「四谷怪談」を2日間かけて、1日目に両作品の前半部分、2日目に両作品の後半部分、そしてラストは討ち入りという展開で、表の忠臣蔵、裏の四谷怪談になっているのがミソで、両作品を観る事によって、吉良上野介に復讐を誓う武士たちと、その武家社会に翻弄されながらも、生きていかなければいけない市井の人間模様が描かれている。
    「忠臣蔵」を観ることは出来ないが、今作では、浅野内匠頭の藩が、お家断絶になってしまい、それによって生きてく事すら困難な状態になったの武士と庶民たちの話である。

    今作は、内容は一切変えずに、セリフは現代口語、背景も現代の様である。歌舞伎として描いておらず、あくまでも現代演劇として描いている。
    伊藤喜兵衛にそそのかされて、孫のお梅と夫婦になってしまう伊右衛門、そしてその策略の生贄になったのはお岩で、彼女が呪ったのは伊右衛門ではなく伊藤喜兵衛、惚れた女欲しさに人を殺めたのが、それは以前に世話になった方の子息、そしてやっと手に入れた女は実の妹で、近親相関になってしまう有様、そして病で、討ち入りに参加出来ずにいる又之丞に、命をかけてまで、薬を手に入れようとそる小仏子平などなど、庶民は社会と関係を持たずには生きてはいけないにせよ、それを得るにはあまりにも代償が大きすぎて、生きる事さえ命がけだ。
    そんな彼らの生き様を現代演劇という手法で、描ききっているからか、鶴屋南北の書いた当時のテーマが、現代でもいとも簡単に掴み取れるのが、今作の面白さであろう。
    そして6時間という長尺ながら、飽きもせず、退屈もせず、疲れもせず、まだまだ観れるぞ!という気分にさせてくれる良作に出合うのは、今の現代では稀有である。
  • 満足度★★★★★

    昼から夜まで6時間と5分、たっぷり四谷怪談を楽しんだ。日本の古典戯曲がこのように現代の劇場で今ここで生きている人たちの手で今の演劇として上演されるのは大きな喜びだ。蜷川の近松心中に劣らない舞台成果で、ここまで新しいスタイルで古典戯曲をかみ砕いたというだけで、すごい。今年の演劇の評価の一つになるだろう。
    古典の宿命で、ネタバレで気付いたこともあるが、多分そんなことは制作側は先刻ご承知と思う。まだやることはある。これが最終形などと言わず、今後も時にこの場に戻ってこの舞台を又見せてください。

    ネタバレBOX

    (構成について)一幕は完ぺきな出来。二幕の穏亡掘は少し焦点を見失っていると感じた。戸板返しからだんまりはあてぇのつなぎもあるので、もっと説明してもいいと思う。三幕は、大歌舞伎が三角屋敷をあまりやらない理由がよくわかった。原作もここはちょっと持て余したか、中だるみだ。丁寧にやるだけの意味がつかめなかった。コクーンなどがやるこの長さの半分くらいでいいのではないかと思う。復讐の動機付けが解ればいいのだから。大詰めへの物語の速度が落ちる。夢の場の「七夕」の童謡は突然西洋の物語が挿入されたようで、観客も戸惑う。三幕はまだ改良できるところがあると思った。
    (俳優について)俳優の皆さんは好演だが。伊右衛門は現代の無知な若者風になりすぎていないか。状況からももっと、現実の社会への鬱屈があるのではないか。仲間の若者が暴走族みたいなのも面白いが、ただの無軌道になっていて、こうしなければ社会に組み入れられないドロップアウト寸前の危うさがない。人物はそれぞれよく書かれているが、そこへ俳優の個性が付け加えられないと生きてこない。蘭妖子がたつのは個性があるからで、それは排除しない方がいいと思う。あと二三人個性が出てしまう俳優がいると舞台が華やぐ。
    (美術など)大道具は見事な出来だ。この劇場を立体的に使っている。薄墨のだんだらも生きた。小道具も見た目のバランスがよく神経が行き届いていて心地いい。衣裳もいろいろの工夫が楽しい。
    音楽はこれも見事だが、一幕の完璧さに比べると次第に疲れてくる。ことに邦楽と洋楽のクラッシクの交錯する後半は、時に違和感を感じる。純邦楽は完全に外した方がよいのではないか、使うとしても大和楽とか。
    音響で事分テンポリズムを作っていていいのだが、ヘリの音は効果的ではあるけど、どうしても「ミスサイゴン」を連想してしまう客はいるだろう。それはマイナスになる。
    などと、団菊爺みたいになってしまったが、舞台成果としては本当に見事なもので、感服した。
  • 終演後のトークで聞いたことに納得。お岩とお袖が武家の娘であることが肝。人々の行動原理を丁寧に表現。伊右衛門がお岩を捨てる場面が良かった。「夢の場」の演出意図も。引き込まれた俳優は小沢道成さんかな。

    ネタバレBOX

    ヘリコプターと飛行機の音は現代のもので上空を想像させる。お岩さんの思いが今も続いているように解釈して観ていました。
  • 満足度★★★★

    2004年の Ort-dd『四谷怪談』は、伊藤喜兵衛の役柄を改編・強調して別の劇に仕立てていた。《トスカ》的な物語に。あれはあれで非常に優れていた。

    ネタバレBOX

    色が褪せた定式幕のような色味の、やや前傾した舞台。稼動して真ん中に掘りが出来る。奥のライトが並んだ壁。冒頭にビニール幕が下りてくる(向こう側がスクリーンの役目か)。一幕目は衝立で細かく分離。二幕目は手前と奥にハイバイの透明ドアのようなセットで一つの室内。三幕目は堀を背景にした室内と若干の転換で平面。
    一幕目はジェット機やヘリコプターの騒音とシンセサイザーによる祭囃子のような音楽が効果音として使われる。二幕目は、シンセサイザーによる、ヒップホップ調の曲や女性ボーカル曲。三幕目はブザー音とポップス、ヘビーメタルのリフ。一幕目は単調で雑に感じる。髪梳き場面は『劇的なるものをめぐって』的か。
    科白は、歌舞伎の決め台詞とわかりやすい口語の組み合わせ。衣装も着物と洋服のごっちゃ。
    尼崎ロマンポルノの田中真和さんという役者が出てきて、小柄な男と童子をシームレスに、鷺、おそらく鼠をやるんだけど、あれは驚き。山の手事情社の山田浩平さんのずるい版。
    三幕目は、迷い家の伝説や、手児奈姫伝説が織り込まれていた(民話パターンが入り込んでくるのは大衆文化、芸能の特徴。独自の理屈で展開し、受け入れるのに抵抗を感じさせるのが芸術)。忠義小平?の場面、薬を出してきたのは、伏線回収としてやや驚き。身体の不自由な人間をジーッと描くのがすさまじい。薬、薬、薬の物語。貧困にあえぐ者たちの物語。ちんぴらの生態や行動パターンの描写がリアル。提灯抜け、仏壇返しは省略。
  • 満足度★★★★★

    すごいの一言。

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