ぽこフェス2017 公演情報 ぽこフェス2017」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    ぽこぽこクラブ「ぽこフェス2017〜越えろこの山、チョモランマ〜」シーズン3

    『空白の二人2017』


    暴力の負の連鎖は断ち切りたいと思っても、切る事が出来ず。受け入れたいと思っても、うまくいかない。「自分」の立ち位置が「空白」である男と、「心」が「空白」の男。
    そんな二人の奇妙な関係性。従順な男の姿が、従順であればあるほど、辛く映る。

    DVを繰り返す男「ようじ」役(三上陽永さん)記憶を失ったのか、社会的に存在を否定されたのか自分が「誰」であるか不確かな男「クロ」(杉浦一輝さん)。


    自分の父親のDVの負の連鎖から自身も恋人に暴力をふるってしまう。
    経緯は不明だが「クロ」を「飼っている」ようじ。
    「戸籍」のワードから考えると、年齢的に、状況的に「クロ」は「身元不明者」の無戸籍者のようだ。
    自分が「誰」なのか分からない中で、「誰」かの為に行動しようとした「クロ」が切なかった。
    他者の為に、他者が喜んでくれるだろうと、その感情が人間の印のようにも感じる。
    ラストは少し、救われる気がした。


    劇中の「痛みが生きてる証拠」。頭では分かるのだが、理づくではクリアにならないのが人の感情なんだなと。
    ある種、人間のどろりとした感情が足元に絡みつくホンだったのかと。






    「クロ」は杉浦一輝さんの得意な表現が強く出る役柄。
    人によってはあざとい感じが出てしまうので。




    「マグロ」


    シーズン1でも上演したが、演出が変わった箇所があり、少し、間のもたつきを以前感じたところがすっきりした感じを受けた。


    風俗の女(森田ひかりさん)と、寿司屋の女大将(都倉有加さん)の心象というか、双方の抱えているバックボーンがより、出てきたように感じた。
    一見、たわいのない酒を呑みながらの話が徐々に自身の「自分は正論」という
    盾に守られた話がその場の空気を変えていった。

    女は自分の男が「人間」としてのプライドを無くし「マグロ」として
    存在する事にある種「意味」や「意義」を歪んだ感情で「正論」と思ってる。
    「洗脳」なのか、「軟禁」なのか、色々ごちゃまぜて考えると
    狂っている。
    ただ、本当の「狂気」は表だって見えないモノ。
    ただ、特別なモノでは無くて自分の身近にあるモノなのかもしれない。
    あの不条理な「マグロ」男のような立場の人が近くにいるのかも。

    回遊する「マグロ」の末路はどうなったのか。機会があれば、観てみたい気がする。
    このホンはシーズン1よりも3の演出の方が大将(都倉有加さん)も、風俗の女(森田ひかりさん)も好きだった。
    大将の後半の目がキテイて、静かに狂っていて良かった。




    新作「現世永劫莫殺地獄」


    この世も同じようなものだと、ふと、観ながら思う。
    この世と、地獄の間には鏡があって、そこに映し出される人間の姿は、滑稽にもみえるし、必死にも見える。

    この世ではジャッジ出来ないことを「地獄」でジャッジしてるんだろうな。
    地獄での刑をみると、シンプルだ。
    「悪い事をしたら罰を受ける」


    シンプルな事が、現世はそれが出来ない。

    地獄の刑はループする。
    莫殺地獄。


    「殺さない」地獄。


    「莫」の意味が
    1 否定を表す語。ない。
    2 むなしい。

    死んでいるけど、永遠に死なない。ずっと、ずっと、ずっと、続く地獄。
    終わりが無い地獄程、辛いモノは無い気がする。


    一見、ニギヤカしいホンだったが、かなり、色んな事をなぞってる気がするので、伏線というか、反芻すると、また違った印象にもなる気がした。
    今作、様々な閻魔様のジャッジの場面
    「死」の捉え方が多方向からみるとしたら気がつかない「罪」をそこで言われて初めて気がつく。
    ここでも自分にとっての「真理」や「信念」は一歩ずれたら
    「狂気」となる危険性がある事を感じた。
    「意味のある死」とは?
    世界で起こっているその人にとっての、その団体にとっての「意味のある死」
    そこから、気がつかない悲しみの落としどころが見つからない人が沢山、沢山
    生まれてしまう悲しさ、怒り。


    興味深いホン。


    理不尽な死によって鬼になった「書鬼」。
    今作の書鬼の杉浦君が良かった。






    全シーズンを観劇出来たのも、ある種タイミングが良かったからで、中々全てというのは難しい人も多かった公演だと思う。公演を打つ側も相当量の大変さを踏まえて「やりたい事をやる」を具現化した彼ら、スタッフの方々へ今公演が次なるステップになる事を小さく祈りつつ、善き時間を共有出来た事、感謝します。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/06/10 (土)

    座席1階1列

    ぽこぽこクラブ『ぽこフェス2017』下高井戸 HTS

    シーズン3観劇。
    『空白の二人2017』
    ヤマアラシのジレンマのような二人の関係が痛々しく切ない。
    分かっていても暴力を止められない自分への苛立ち、自己嫌悪が痛いほど伝わってきました。
    主人公は空っぽになることができるのだろうか。
    二人が新しい関係を築けるといいな、と思いました。

    『マグロ』
    シーズン1とは少し演出を変えてありました。
    身体を売っている女性と、身体を買ってくる女性
    噛み合っていないようで、大将が言う通り根っこは同じなのかも
    マグロの存在感がやっぱり凄い

    『現世永劫莫殺地獄』
    一番好みの作品。全8作品の中では一番エンタメ度が高い作品だと思います。
    設定・ストーリー展開の巧さと目を引く演出の数々がとても楽しかったです。
    地獄に落ちてきた男性と書鬼との関係を全てを明かさず、匂わせる程度なのが想像の余地があって良かった。
    書鬼が時折見せる悲しそうな苦しそうな表情が印象に残りました。

  • 満足度★★★★

    ぽこぽこクラブ『ぽこフェス2017』下高井戸 HTS

    シーズン2観劇。シーズン1同様3作とも初見です。
    全体を通しての印象は、シーズン1に比べるとよりコミカルさが増して笑いの多い公演だったように感じました。

    『ムシのイドコロ2017』
    最近の若者然とした派遣社員とマネージャーの噛み合わない会話が凄く面白かった。
    どちらの役もはまり過ぎで、完璧なキャスティングだと思いました。
    一言も喋らないもう一人の派遣社員の存在が不気味で、いい味出してました。

    『Re.LIFE』
    ジェットコースターのようなスピード感あふれる展開が楽しい。
    「選択を変えてもダメ、自分が変わらないと」みたいなセリフが刺さりました。

    『愛しの電気釜』
    今回の3作品の中では一番好み。主人公田中のキャラクターがすごく良かった。
    奇抜な設定の面白だけに終わらず、その面白の裏にある真相がわかった瞬間、それまで観てきた景色が一変するようで衝撃的でした。
    結びのシーンも秀逸。

    私が観劇した日はドリンクデーで飲みながら観劇できました。
    シーズン1のチケットを持参すればドリンク全品200円引きでした。(ソフトドリンクならタダ!)

  • 満足度★★★★

    オムニバス3作品(再演の物もあるとの事だが私は全て初見)

    ネタバレBOX

    『マグロ』脚本/渡辺芳博出演/都倉有加、森田ひかり、渡辺芳博


    渡辺芳博さんの書くホンはぞわっとする。
    そして、根底に人の心理とそこに至るエゴのようなものを感じる。
    今作、最終的にはかなり、怖い。
    一見、不条理な登場人物も話が進むと、その理由が明かされ、ぞわっとした。
    風俗(デリヘル嬢)の女(森田ひかり)、寿司屋の大将(都倉有加)。
    「普通」にみえる人間の「普通」って何だろう?
    いつも、渡辺さんの書くホンを観ると考えてしまう。
    好きな男が働かない・身体を売って養う女。その女の仕事の割り切り方は理に適ってる。
    「男の訳の分からないプライドなんて・・・」と話が弾む女二人。
    何気ない気持ちで大将の「話」を聞き始める。
    その話の狂気さに気がつかない大将の怖さ。
    誰だって「それは普通でしょ」って思ってる。
    そこに至るプロセスは様々だが、あの不条理な登場人物の意味も明かされる。
    森田さんは徐々に巧くなってきたなと思う。
    言葉のウラガワに含ませる感情の伝え方が巧くなってきた。
    客演の都倉さんは前回公演でも若々しくない(褒め言葉)妙に艶っぽさがある俳優さんだと思っていて、あの大将の狂ってるけど、それが「間違ってるけどまっすぐな愛」なんだろうなって感じを受けた。






    『僕はスッポン2017』脚本/杉浦一輝&三上陽永出演/坂本健、三上陽永、都倉有加
    杉浦一輝くんのホン。


    彼の書くホンは歪んでるんだけど、個人的には好き。
    ホント、歪んでる

    でも、切ない。
    好き過ぎて食べてしまいたいという表現があるが
    これは「あなたが好きで大好きで、貴方の為なら食べられてもいい位、好き」
    という強力なラブレターのようなホンだなと。
    歪んでるけど。

    きっと、自分の事を愛してくれて、優しくしてくれて、自分の事をみてくれる人が
    少なすぎたからなおくんの為に・・・ってなったのかな。
    悲しいけど、切ない。




    『初めまして、山田です』脚本/杉浦一輝 出演/高橋玄太、渡辺芳博、シークレットゲスト/磯部莉菜子、梅津瑞樹


    杉浦くん新作。
    これは、出演の渡辺さんの力技というか、結構、ズルいホンだった。
    コミカルな流れで進んでいき、まじめな高橋玄太さんの元カレと、律儀な3年4か月と15日のストーカーの渡辺芳博さん。


    可愛い恋愛質な女の子(磯部莉菜子)。前作も小悪魔的な役柄で愛らしい方だなと思ってた。
    客演の女の子が皆さん可愛い。
    そして、コミカルに痴漢やら、フラれるメンズやら、で客演の虚構の劇団の梅津瑞樹さん。
    この方は面白い事きっと、巧い人なんだろうと思っているが、もう一歩、抜けると
    凄く面白くなる人だと思う。


    彼女を廻っての話だが、最終的にほんわかとしたええ話になったという。
    ただ「ええ話」の視点は「おとこ」サイドから見た視点。彼女にとっては「いい迷惑」となる可能性が高い。


    三作ともどこの「視点」から捉えるかで受けるイメージも大分変わる。
    「おとこ」の視点なのか「おんな」の視点か。


    と言ってる私自身も「正しい」のか?と問われると
    断言できないような気持ちもある。


    いい意味で今どき感が無いのがぽこぽこクラブの空気感だと勝手に思ってる。
    「こういうのやりたい、書きたい」だから「やる」といった感じ。
    メンドクサイ事も沢山あるだろうが、やりたい事やっていって欲しいかと思う。



    音響や照明のオペレーションも今回はメンバーで行ってるとのこと。


    事前に今作の照明に関してのtweetで実際観て、納得。アイデアで表現は色々具現化出来るんだなと。
    ホリゾンの色合いが綺麗だったし、すっぽんの時は気持ち悪いとか、不安とか、そんな心象が伝わってきた。
    あと、楽屋側のオンとオフ出来る裸電球。句読点のような役割で物語の切り替えにイイ感じだった


    今回中央の舞台に対して対面客席。
    入口入って左側はある種通常席・右は舞台の一部になるような臨場感溢れる客席といった感じ。


    3作とも演者の向きが自然に双方から観られるように途中でチェンジするなどあり。
    オムニバスと言う事で一作毎の尺は短いのだが、観終ってあれやこれや反芻すると、
    とてもホンが深いな~と。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/05/20 (土)

    座席1階1列

    ぽこぽこクラブ『ぽこフェス2017』 下高井戸 HTS

    シーズン1観劇。3編の短編オムニバス公演。
    会場全体が賑やかで楽しい空間になっていて、会場に入った瞬間別世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えるほどでした。
    それだけでも一見の価値あり!

    『マグロ』
    女二人の会話劇、のはずなのだけど……マグロの圧倒的な存在感が頭から離れない。
    とあるタイミングでマグロの動きが変わるのですが、その変化がシュールですっごいツボでした。
    次第に熱を帯びていく女子二人の全く交わらない価値観のせめぎ合いが楽しかった。
    ラストのオチも予想外すぎて衝撃!

    『僕はスッポン2017』
    こちらものっけから突飛な設定に驚かされたのだけど、
    お話自体はすごくピュアで話が進むにつれて次第に作品に引き込まれていきました。
    緩急の付け方が抜群に良かったと思います。

    『初めまして、山田です』
    3編の中では一番オーソドックスかな。
    元彼とストーカーの鉢合わせから始まるドタバタ劇が楽しいシットコム。
    ストーカーの変質的なこだわりや言動が面白かったです。

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