満足度★★★★
小さな編成での濃密会話劇、名取事務所の海外戯曲公演は今回で三作目だったか。
ミステリー要素が強い作品は、思わせ振りな展開の最後に、思わせ振りに見合うオチがしっかり用意されているかどうか、またオチをしっかり含み込んだ(客の関心を惹き付ける狙いに終始しない)人物像の形成が為されているかが、要かと思う。
今作は惹き付けは十分、人物形象は理事長はOK、青年は頑張っており、看護師は出番が少なく形象の如何を問うまででない、とすると戯曲の(オチの)問題か。
会話をぶっ通す二人の技に感心しつつも、やはり評価はまずは戯曲、物語に対してだ。
カナダの三人芝居。フランス演劇界のモリエール賞・二部門にノミネートされた作品だそうです。吉原豊司さんの翻訳を扇田拓也さんが演出されます。上演時間は約1時間40分弱。精神病院が舞台の心理サスペンスでした。
グザヴィエ・ドラン主演で映画化も。さすがに面白い戯曲でした。