ラブソング 公演情報 ラブソング」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    宇宙船で淡々とルーチンワークをこなす可愛いいでたちのキャラ達。隠された設定を少しずつ薄皮を剝がすように明らかにしていきますが、それを気づかせる「違和感」を日常にさりげなく…適切に仕込んだ展開が心地よい。結果としてSFよりはファンタジーに近い味わい。

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    ネタバレBOX

    黙々と働き…その価値の有無も定かでない使命をひたむきに全うしていくモノたちに、社会での我が身を投影している様でいてとても切なく、それでも生きる意欲を繋ぐ展開が慈愛に満ちていました。クレジット以外、一切表に出ない「ラブソング」というタイトルワードに…表に出さないからこその秘めた想いが託されている様で作演の心の芯を感じます。
    演出で楽しかったのは、送信を模した数字のラップかな。ガイド映像も、印象としては「前説」を、意義としてはボイジャーやパイオニア探査機を想起してギャップが面白かったですが、そんなロマンで済まされる事態ではありませんでしたね。そこもギャップ良し。
    また、一貫して舞台にある小道具の箱が、最後にとても重要な意味を持つのが心憎い。「キーアイテムを、それと気づかせず最初から無造作に置く」という細工が謎解きモノとして好感です。SF的モールドで舞台の装飾的な機能を一貫して担いながら、最後に「観客の目の前に拡がる光景の意味を180°転換させる効果」を持っていて、唸りました。
    私はあの箱に「機能を失って隔離されたHDD上のクラスタ」を想起しました…

    後味が深い作品でしたね。

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