満足度★★★★
台詞の無いフィジカルシアター。
今作は、前々作に観た「箱」よりも、「人間」がより浮だつイメージ。
鼓動の様な、脈の様な、打ち鳴らす音は、次第に変化し、
更に鳥の様な、ため息の様な、場末の酒場のケンカの様な、神に祈りを捧げる様な、不思議な「音」が聞こえ始めた。
観る人の解釈の枝分かれが多様な物がこういった表現だと思う
その多様性が、面白いし、色んな風景をそこに観る事が出来る。
「言葉」ととるか「SEX」ととるか、「愛情」ととるか「競争」ととるか。人の受け取るイメージが、ぐにゃりと、色んな形になるのが『PARADE』かと。
曖昧で良い。
きっと、受け取る人によって色んな解釈が出来そう。
凡人である自分にとって「倒れる」という行動は「マイナス」なイメージを受け、観ながら、痛感を共有するとともに、何故この人たちは、立ち上がるのだろうか?
と疑問が・・・。
まだ、数回公演を観ただけだが、「マイナス」からの「プラス」への熱量を感じるのは、何故だろう。
特に今作は「人間がコミニケーションを取るってそもそも、何だろう?」って観ながら思った。
人間関係が希薄になった時代にどんな繋がり方をするんだろう。
舞台上、行進する。
前へ
前へ
二人一組。
三人一組。
コミニティの広がりか、後半は人が増える。
段々、手を絡ませる。
肩を組む。
抱きかかえる。
押し出させる。
スピード感がある場面だが、足の動き、手の表現、どのような状況になってる人々なのか?
かなり、面白い。
そして、メタモルフォーゼするような、今までの着衣を点在するように脱ぎ捨てる、チガウ着衣を纏う、拾い集める、、、、。
そこからの場面は
解釈が大きく分れる気がした。
もう一度観に行こう。
観終って、正解など出せないが一番好きだなと思った。