ジャングル人か! 公演情報 ジャングル人か!」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    寒風吹く中、街頭でチラシを見せ呼び込む劇団関係者…それとなく見ると無料公演!昼間は用事があったので、夜観させてもらった。2017年松納めの日に劇団レインボー城!第100回記念公演。その勢いある物語、年初幸先よいスタートを切ったと思う。
    チラシは登場人物の多彩な姿…そのキャッチフレーズが「太平の眠りを覚ます宝船、四隻そろって上野に来航!襲い掛かる生命力!ボクの、ワタシの人生が、変な所からまた始まりますよ!」という訳の分からないもの。
    しかし、そのナンセンスと思えるような物語は、現代人の色々な思いを面白可笑しく描き出していた。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    冒頭、舞台セットは渦を巻いた絵が描かれた衝立が立っている。その後は場面転換に応じてセットも変わる。

    梗概…正月初詣している時に時期はずれの台風が来る。その寺が千葉県木更津市にある證誠寺(しょうじょうじ)である 。場面は転換、車で雪中を走っていたが道に迷ったシーンへ。そして更に中学生の部活場面へ転じていく。そして地球温暖化を研究するための部員募集。

    さらに飛躍したシーン…衣装を竹のように巻き込んで、その中に女性が立っている。もちろん竹取物語の”かぐや姫”であることは一目瞭然であるが、実は天王星(科学的に、この星は主にガスと多様な氷から成っているらしい)から来た異星人である。この星は零下によって異星人は滅し、かろうじて1星人のみ地球に来た。身近で約束事のように描かれる地球人・異星人の恋愛模様は楽しくもあり哀しさもある。
    大宇宙、それに関連した地球温暖化対策の課題、異星(性)人の恋愛という卑近な問題まで多様多彩な張り合わせが、徐々に一つの物語を形成してくる。一見ナンセンス・コメディと思えるが、その奥にはしっかりとしたテーマがあるのだが…。鮮明、明確にせず、あくまで軟らかく包み込み、観客に委ねるような投げかけである。当日パンフにも「南総里見八犬伝や指輪物語のような緻密な嘘ではなく、かなりテキトーこいてます。」とあるが、なかなか強かな公演である。

    冒頭に紹介した寺には、『狸囃子』(伝説)が伝えられ日本三大狸伝説の1つになっているという。 この伝説を元に、童謡『証城寺の狸囃子』が作詞作曲されている。この公演全体は狸に化かされているのか?雪中で迷った車内、眠ってみていた夢物語かも…。

    役者24名(1人何役か演じ、登場人物は28人)が個性豊かに演じ分ける。それもかなりのハイテンションで足早なテンポも心地よい。これで「完全無料!」だから”得した気分”である。

    次回公演も楽しみにしております。

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