オペラ『想稿・銀河鉄道の夜』 公演情報 オペラ『想稿・銀河鉄道の夜』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★★

    繊細ないくつものパーツを、音楽が1枚の大きなタペストリーへと織り上げていく。生の楽器の音色が耳よりも先に肌と共鳴し、澄んだ歌声が胸に響く。

    半円形の会場と舞台の奥の大きな輪を生かした美術が銀河系や時間を象徴し、その中で少年たちが探す「ほんとうのこと」「ほんとうのさいわい」は孤独と自己犠牲を経て、永遠へと変わる。

    若々しい顔ぶれのキャスト陣にベテランがそれぞれの味わいを加えた座組は、少年たちが主人公となる作品によく似合っていた。

    ネタバレBOX

    原作と、この北村想さんの『想稿……』版とでいくつか大きな違いもある。例えば2人は銀河鉄道で旅するのではなく、銀河ステーションで汽車を待っているのだ。

    銀河ステーションで出会う人々。尼僧。化石を探す大学士と助手。鳥捕り。

    そして、船で死んだ青年と少女。兄妹ではないだろう。原作では少年と少女を連れた家庭教師だったはずだ。

    タイタニックのような客船の沈没と、海上に残された人々の歌う賛美歌の響き。

    青年の話はしだいに星祭りの夜の出来事へとシフトしていく。物静かな青年と悪ガキのザネリが重なる。

    「なんの話をしているの?」と繰り返し問うジョバンニの切実な声とそれを聞くカンパネルラの諦めにも哀しみにも似た表情が印象に残った。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/02/03 (金) 19:00

    2010年にシアタートラムで初演された今作が再演するというので拝見。「どこからともなく三〇六番の声があがりました」の歌声がまぎれもないほんもので、こころがつめたく、すきとおっていくような心地でした。

    ネタバレBOX

    床面の映像演出が印象的だった初演に比べ、世田谷パブリックシアターの高さを生かした大きな振り子の装置や、吊り下げられた円形スクリーン、椅子をブック形に積み上げるなど、縦軸方向への演出に奥行きを感じ、好みだった。
  • 満足度★★★★

    初こんにゃく座さんでした。綺麗で儚い詩の世界でした。歌の迫力だけでなく、照明や演奏など総合的に迫ってくる楽しさがあって、二時間、世界にたっぷり浸ってきました。

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