満足度★★★★★
鑑賞日2016/12/25 (日)
無題1994(16-284)、11:00の回(曇)、10:18受付(整理番号あり)、物販コーナーにはちょっと印象が変わった嵯峨さん、10:31開場。
傾いたセット、下手に木枠と砂の山、舞台には堀のようなものがあり水色の紙飛行機で埋まっている(当パンも飛行機のカタチ)。
10:50前説(80分)、11:04開演~12:24終演。
先月、待望の白米少女公演を終えたやないさきさんが出ているのでかなり期待して観に来ました。
カミグセは「その揺れでふれる手(2014/10@王子スタジオ1)」からなのでPRUNUS HALL版は観ていませんが嵯峨ふみかさんは「マクベス、あるいは、日本語のこの100年(2013/8@Broader House)」や「平原演劇祭(水没祭)」など過激に個性的な作品で観ていました。
「寄宿学校」「転校してきた」「無機質な日常のループ」からギムナジウムというコトバを思い出しながら今の繰り返し、その記憶の繰り返し、混濁したものの繰り返しが狂気のひとつ手前で崩壊を避けているように思えました。
白と青、一つの方向にしか流れない砂時計、かならず落下する硬質な紙飛行機。
やはり台本買っとけばと思うのですが、「初演時戯曲の前半部分」を読むと「別の所」に行ってしまったのかなぁとも思うのでした。
別のところでも書いたことですが、ちょうどP.K.ディックの「ユービック」という作品を何十年ぶりかで再読しているところです(内容はすっかり忘れていました)。そこで描かれる「世界」には「生者」と「半生者」がいて意識の疎通ができるが、登場人物たちは自分たちが「どちらにいるのか」おのれの存在がどこにあるのかを疑いながら...というお話。拠り所を喪いかけた存在とも思えるのでした。
星秀美さん「戯曲見本市~HONPO COLLECTION~(2016/10@nakano f)」※「人魚の薬 -雲の上編 海の底編(2013/4@風姿花伝)」でやないさんと共演してましたね。
中村佳奈さんは「モンテ・クリスト伯(2012/3@APOC」。
植野祐美さんは「櫻の園2(2016/5@ザムザ)」。
三村萌緒さんは「糸、あと、音。(2015/8@楽園)」。
レベッカさんは「ツヤマジケン(2014/7@王子)」。
個人的には美術や照明も好みで、ひっそりと座っているシーン、再生シーンなど印象的な場面がよかった。