夜組 公演情報 夜組」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 素晴らしかった。
    異なる別の会話が繋がりを持ちながら同時進行する。AさんがBさんに話しかけた言葉をCさんが受け取り、BさんとCさんの会話が開始する、といった仕掛けが多くなされ、劇は複雑な構造を持つ。生きているのかいないのか、存在しているのかしていないのか、ラジオが聞こえているのか聞こえていないか。何が嘘で、何がほんとか、次第にわからなくなってくる。3.11以後の世界は確実に不確実になっているんだなと、体で感じるような時間だった。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/01/20 (金)

    ラジオの深夜放送。
    電波を求めて夜出歩く人々。
    奇妙な関係の男女。

    重なりすれ違う会話はしだいにほぐれて、人々の関係を示していく。

    5年前から続く計画停電と巨大な墓地は、あの震災と丁重に地続きで、大きな川の向こうの明かりとは微妙にズレた世界のようだ。

    好きとか嫌いとか面白いとか面白くないとかそういう次元とは別に、じんわりと染み込むような言葉と想いがあった。

    ネタバレBOX

    去年の夏に観た15分の短編とつながっているのだと、始まってから気づく。

    「死んでる」人が歩き回って生者と言葉を交わしたりするが、それで誰かが救われたりもして、それはすべて生者の奇妙な優しさだったのかもしれない、それでもいいのだと思ったりした。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/01/21 (土)

    噂に聞く重なり合うセリフ回しは凄かった。役柄も時間軸も激しく入れ替わるので相当頭を使うものの、それが心地良いのが不思議。複数回観るとより楽しめそう。

  • 広範囲に届いているようで、閉じてもいる、ラジオというメディアならではのコミュニケーションを、俳優の肉体と演技で立体化されていることが面白いと思いました。
    少し詳しいめの感想:http://shinobutakano.com/2017/01/17/4293/

  • 満足度★★★★

    ジエン社初観劇。劇の構成(縦及び横)から来る晦渋さと、ある「気分」が全編を貫く事から来る蠱惑的な芳香。
    一貫した「何か」は、劇のルールを解読せねば見えない俯瞰図が結局は解き切れないにも関わらずこの芝居にある彩りを与え、意味深長による「惹き付け」には恐らく失敗しているが、魅力を保たせていた。

    ネタバレBOX

    踏まえられている「何か」は実は昨年の「15Minutes Made」(Mrs.Fictions) で披露された短編だとの事。
    劇では死者が登場し、その姿が見える生者と見えない生者がいて、しかも誰がそうで誰がそうでないと必ずしも確定している訳でないようである。従って同じ場面で2組以上の者同士の会話が同時進行するという事が平然と起きる。下手に去った人に言葉を投げていた者が言葉を次いだ時、それはその直後下手から登場した別の人に掛けた言葉だった事が判る、といった具合。
    対話は短めに切り上げられ、関係が見える前に邪魔が入る。
    一人の人物に対し、親密な相手が二人おり、恐らくは死者と生者のどちらかであり、どちらかが過去でもう一方が現在だ、と見えて来た時には劇は終盤に差し掛かっていた。
    しかし・・前作の関連作という点は脇に置くとして、異次元の会話が複数同居する場面が、ある特殊な効果を狙ってでなく「常態」である形はあまり見ない。相当高度な演劇的リテラシーを当てにしている(事になっている)のは確かである。この形態に「慣れた」観客が増えて行く事を考えると興味深い。

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