満足度★★★★
舞台と客席が一緒の地下の酒場で劇中劇を観てる。虚構と現実が入り混じる芝居を。最後は何が何だかわからないくらいカオスな展開でしたが、しっかり楽しませていただきました。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/03 (金) 19:00
座席貴族番
かなり前に配られたチラシ(今のチラシと仕様が違い、裏面が白紙、内容も全く分らない)で「一幕のグロテスク劇」というタイトルを見かけてから、これは絶対見ようと心に決めていました。あの毒々しいオウムの絵に魅入られたともいえます。
フランス革命ーバスティーユ襲撃時の興奮が、劇の進行と共に居酒屋の中でも高まっていきます。劇中劇は、虚構なのか現実なのか。それらが混沌としてきたときに、居酒屋内の人々の判断は断絶し、狭い空間で各々の言動は暴発を始めます。
そして、劇中劇と現実との狭間を取り払い、大きく引き金を引いてしまうのが、あの人とは、、、
舞台衣装もよく調達したな、という感じで、特に浮浪者の衣装は、動くたびに本当にほこりが立つんですよねえ。
上演時間は80分。時間が残り少なくなった時、どのようなエンディングを迎えるのかと思いましたが、彼らは夢中の混乱から現実の混乱へと舞台を移動して行くのでした。
多くの笑いもあったけれど、物語の節々でエッジを利かせながら話の散逸を防ぎ、シニカルなセリフと時折起こる極度の緊張は心地よい。入りの静けさからスピード・ボルテージがどんどん高まっていき、最後の唐突に見えるエンディングは、まるでラベルのボレロみたい。
辻しのぶさんは確かにきれいです。適度な熟れ具合がまた。胸の谷間をまじかで観られたのは眼福。(あれ、最近こんなことばかり書いているなあ)
満足度★★★
衣装と照明が楽しめた。
物語の軸、推進力みたいなものを感じさせ、狭い舞台で巧みに動線を描いていた。
しかし、翻訳劇、時代ものということを差し引いても、総じて出演者の芝居が硬い。
スタイルと言えなくもないが、そのせいで作家が肉薄しようとした、本質、生々しさがかなり薄まっているように感じた。
満足度★★★★★
外は革命直前の物々しい状況。にもかかわらずエンタメボケした貴族達が「犯罪人ごっこ」に現を抜かし、挙句の果てに右往左往するであろう姿を苦々しく楽しむ予定の観劇でした。
ところが実際には、どれが本当の犯罪でどれが即興芝居なのか区別がつかなくなり頭が混乱してくる中、これはちょっとヤバいだろうという状況になった時、なんと自分自身も一人の貴族と気持ちがリンクしてしまい「こんな面白い場面、めったに観られるものじゃないっ!もっともっと刺激をカモーン!」と欲求心に火がついてしまっていました。
これじゃエンタメ亡者じゃん!ガーン
もちろん劇中劇だと分かったうえでの感情ではあるが自分にもこんな野次馬根性みたいなモノが潜んでいたとは。
我ながら滑稽であるが、ちょっとショックでした。
演出の術中にはまったという事なのでしょうが。
観客席は小劇場B1ではお馴染みの舞台から見て正面と左手の2方向。それに加えて右手にも一列だけ設けられています。
舞台デザインからしてどの席から観ても面白そうで、どこに座るか非常に悩ましいところ。
全体をまんべんなく楽しむなら当然中段~後方になりますが、劇中の混沌に巻き込まれるなら(舞台からみて)右手一列と貴族席近辺がお薦めです。
なんだか劇中の演出のひとつとして活用されている気がしますが、それを含め普段の観劇では中々無いアングルを楽しめます。
満足度★★★★★
仮面なき仮面舞踏会!
どこまでが芝居でどこまでが事実なのか?心の中は仮面だらけ!
俳優個々のレベルが高く芝居にどっぷり浸かれる。衣装も素晴らしい!
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/01 (水)
価格4,000円
辻しのぶさんの美しさに息を詰めて見入ってしまった。
終わったあとしばらく身震いがとまらない、幸せな演劇体験でした。
原作は都内公立図書館では軒並み閉架の禁帯出扱い、数日前に駆け込みで都立図書館にて昭和11年刊と27年刊とを読んで行きました。
色あせる「羽子」の解釈が翻訳によって異なっていたのが気になっていたんだけど、生きて踊る言葉になって発せられたそれはすとんと腑に落ちました。