満足度★★★★
たった一人の木村になるために
直前まで観に行くかどうか迷った。西部劇らしい?!
あまり期待できない気がしたのだ。客席には200名近くの観客席、しかもほぼ満席である。
それは私の予想を裏切る舞台だった。
まさか広島で、まさかアステールで、広島作のこんな骨太の舞台が見られるとは思わなかった!
西部の町「ヒロシマ」の舞台は、違和感なく目の前で繰り広げられる。アクションがらみのダンスシーンもなかなかの迫力だ。
一人っきりの異質な人間を、和の国日本では、「なぜ折り合いが付けられぬ」「なぜ諦めて人と同じように出来ぬのだ」と公然と追い詰めるところがある。
終幕部の穏やかな静けさが、ことに印象的。
誇り高き弱者のために、私たちは「たった一人の木村」になれるだろうか。
満足度★★★★
鑑賞日2017/02/18 (土)
価格3,000円
演劇の面白さが沢山詰まってて面白かったです。
脚本が三人の共作なので、お互いの良いところを消し合わないかなぁと思ってましたが、どちらかというと選ばれた役者さんを土台に、それぞれの役者さんを生かすために、三人のものとは少し違うものを立ち上げたのかなぁという印象で、それはそれで良かったです。(それぞれの個性は何となく少し垣間見えましたが。。)
本来、三人とも少ない役者さんで、ひとの繊細な部分を掘り下げるのを得意としてる印象だったので、まあ、ここはあくまでもプロデュース公演ということで楽しみました。
いつもとは違って抑えた演技を要求された役者さんもいた感じでしたが、それぞれにスポットライトがあたり、五十嵐伝のときよりバランスも良く、まとまった感じで好印象でした。(主役のひとはもう少し弾けたかったんじゃないかな・・とふと。)
広島のプロデュース公演なので、観る前は、東京等からの役者さんとかもいて、何だかなぁ・・・っていう気持ちもありましたが、観始めると・・まあ、半端な気持ちじゃ違う土地で舞台とかつくれないし、まあ、舞台に広島とか県外とか境を決めること自体ナンセンスだったなぁと・・観ながら思いましたし、この広島で舞台に携わったひとたちがほかの土地でも活躍すればそれはそれで良いかなぁ。。
地元の演劇が活性化するには、地元に劇団が沢山いないと駄目なのになぁ・・・という思いは変わらないけど、それは舞台に携わってるひとたちが考えることだし、まあわたしの考えることではない。。
舞台装置も、生の演奏による音楽も凝ってて、アクションもあるし、ただ舞台が好きで観に行ってるお客さんや、あまり舞台観劇回数が少ないひとにとっては、演劇をほんと楽しめる舞台だったと思うし、
何かしらの形で演劇に携わってて、この舞台に物足りなさや、これは違うぞ・・という思いがふつふつと湧き上がったひとは、それはそれで自分の演劇に思いをぶつけてください。。それが次へと繋がると思うし。
役者的にはマリア役のひとは普通にうまいなぁと思ったし、ケイ役のひとは自分にとっては、この舞台の肝でかなりの好印象です。好みもあるんでしょうけど。。
来年のプロデュース公演も楽しみにしています。
(具体的なことにあまり触れない感想になっちゃったけど。。)