たとえば私の人生に目口もないようなもの、あれこそ嘘の精なれ 公演情報 たとえば私の人生に目口もないようなもの、あれこそ嘘の精なれ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★★

    上手く行かない
    本も役者も悪くないのに観客が8人というのは如何にも世の中上手く行かないという典型例であり、本作品の趣旨に沿うものでもありました。

    ネタバレBOX

    2075年に関東大震災があり、2099年に第三次世界大戦が始まった後の札幌の保育所が舞台。両親を亡くし叔父に育てられた女性が、その事実を知り、受け入れ難く札幌へ逃げたものの、ほのぼのとしたように見えた保育所でどろどろとした不倫がらみの事件に巻き込まれ、何度やり直しても悲惨な結果になる不気味な話。

    保育所の室内では何ともなさそうですが外では防毒マスクが必要、時々空襲もあり、学芸会では国威発揚のために敵国に例えた鬼畜をコテンパンにやっつけるといった桃太郎を演目にするなど背景は不気味です。加えて、死神みたいな者によって時を巻き戻してやり直すダブルSFの構成はとても面白かったです。

    更に、親子関係にも触れるなど、ほのぼのとした印象からどんどん離れていくところが素敵でした。ただ、時代背景として大地震で両親を亡くした幼子は多かったはずで、この事実を受け入れ難いというのは設定としては少し無茶かなと思いました。

このページのQRコードです。

拡大