アンダーグラウンド 公演情報 アンダーグラウンド」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    約90分
    観客参加型演劇の面白みを感じたのは、けっきょく最初の部分だけでした。
    それから、全体に進行がグダグダしていたな。わざとそうした節もうかがえたけど、やっぱり段取りが悪いとこの種の参加型演劇は楽しみづらくなる。

    ネタバレBOX

    「観客=地上人」と「役者=地底人」との交流会という趣向。
    「最初の部分」とは、地底人だと言い張る役者さんとの、開演前のトークタイム。
    「地底では人前での飲食がタブー」「マイケル・ジャクソンや唐十郎はじつは地底出身」などとのたまう役者さんに話を合わせ、話を広げていくのが、なんだかノリボケをしているみたいで、楽しい体験でした。
  • 満足度★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    参加型演劇とはつゆ知らず、サリーという謎の地底人の案内には度肝が抜かれたが、始まってみるとそんなに参加せずに済んだのはホッとしたのかもしれないが、何かを期待したのは間違いない。
    こんな事をするのは寺山修司以来か?
    だが観客を巻き込んだ割には、それと内容が交わってこないのが残念な処だ。それがもっと上手くいけばかなり面白くなる予感あり。
    まぁ、でも最初に驚きをくれたサリーに万歳!というところだろう。
  • 満足度★★★★

    巻き込まれ型舞台
    「参加型」とは露知らず参加した。トークに招かれた女性が「参加型」に一家言ある人らしく、今回の趣旨の曖昧さについて指摘していた。その様子からすると、「参加型」のスタイルは何らかの理念を原点に持つようだ。舞台→客席の一方向コミュニケーションの限界、といった所だろうか。
     地上人である所の観客が、大きなエレベータに乗って地底世界へ向かっている。会場は客席がなく、地底人であるキャスト5人の誘導でまずは紙製眼鏡作りと地底世界についてのレクチュア。観客が何らかの「態」でその場に居る中で、いつしか芝居(地底人として名を持つ彼らのやり取り)が始まっていたり、地上人集団に語りかけたりする。「劇」の要素に観客が組み込まれている形は珍しくないが、同じ平場でそうなっている、という感覚はまた別である。
     ポイントは「原罪」を背負った歪な存在となった地上人を地底人は蔑視しており、地底世界の人口が減ってしまったため労働力として、しかし生活と身分を保証する約束で地上人が移住させられる途上である、という構図が後半に判ってくること。白の衣裳で統一されたキャストは高等な人種らしく、無垢で情熱的な演技によって我々とは異質なものとして存在し、「今ここ」が地上世界の劇場である「現実」から離れた、「地底」というフィクションを成り立たせている。
     紙製眼鏡をかける事で「現実」に属する観客同士の対面を回避し、照明や音の効果、そして地底にまつわる詩的な言葉によって、普段は舞台上で観る架空世界を自分らもそこに紛れ込まされた形で観る、という体験になった。もっともストーリー自体は単純だが。
     それらがフィクションのモードだとすれば、冒頭の作業と、もう一箇所途中でキャストがちょっとしたゲーム的な動きを観客に指示してやらせる場面、これはフィクション世界とは違う質に感じられた。フィクションの世界は観客が想像を逞しくして架空世界を理解しようとする時間になるのに対し、フィクションにあまり寄与しない動きをやらされる時間は、自分の身体という現実に引き戻されそうになる。もっと別な動きならどうだったか・・。
     さて先述した「参加型」が目指すのは、フィクション世界よりは、それとは異質に感じられた時間、つまり観客が自分の身体(自分自身の現実)を意識させられ、他者の前にさらされる条件で何らかの物語に参加する形なのだろう。
     その意味では今回の舞台は、参加型というより、フィクションに巻き込まれる体感型舞台とでも言ったらよいだろうか。
     いずれにせよ、興味深い「観劇」ではあった。私には待遇の良い奴隷船に乗せられた感覚、そうなった場合の自分の感情を垣間見る瞬間があり、それなりに新鮮な体験であった。

  • 満足度★★★★★

    ハニートラップ
    というわけではないけれど、なめて掛かったら深いところまで引きずり込まれてしまいました。

    ネタバレBOX

    観客参加型というので一番後ろの座席にでも座ろうかと思って行ったら、地底人のお姉さんに優しく指図され、危険防止のための眼鏡作りというかお面作りというか作業をさせられ、開演時間になったら眼鏡を付けてエレベータで地底に行って、地底人から神話を聞かされたりゲームをしたりしているうちに、地上では優しかったアオザイさんが実は身分の高い家の出で、地上人を見下していることを知り、更には私たちは労働力として拉致されたことが判明。ありゃ、こりゃ注文の多い料理店じゃないか、してやられたなと思う間もなく、地底人は人間ではなくネズミだったようで、ということは私たちもネズミだったんだと認識させられることになり、そう言えば眼鏡の端に丸い円状の物が付いていたな、それがネズミの印だったんだと思っていると、さあいつまで眼鏡を付けているのかと地底人に詰め寄られ、サクラと思しき観客が眼鏡を外すと多くの観客も徐々に外し始めたのですが、私は人間としてのプライドがそれほどあるわけでもなく、自分は人間でもネズミでもどちらでもいいやと思いネズミのお面のままでおりました。

    少子高齢化で労働力だけほしい日本のようでもあり、地底人なんているわけないけど、ネズミなら土に穴を掘って暮らしている種類もあるし、人間が人間同士で差別するように、ネズミならネズミ同士で差別するんだろうなと、差別の本質についての理解も深めることができました。

    奥が深く素晴らしかったです。

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