ゴルジ隊「つい。つい、うっかり。」 公演情報 ゴルジ隊「つい。つい、うっかり。」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/10/22 (土)

    脚本も役者も流石のラインナップ。
    それを見事に纏めて、充実、濃密のひとときでした。幕間映像まで手抜かりなし。

    以降、ネタバレBOXに個別の感想。

    ネタバレBOX

    ①コントロールオフィサー(平田オリザ)感想】果たして仲間なのか敵なのか、当事者なのか傍観者なのか。呉越同舟、対岸の火事、人の不幸は蜜の味、奇妙で滑稽な集団の緊張感溢れる空気が堪らなく面白かった。特に諸星敦士さんの戦場に放り込まれた感が非常に愉快。

    ②団地の三人姉妹(岩崎正裕)感想】三姉妹の感情の発露を呼び起こす、くるぶしさんの腐れ住職加減・空気読めない加減が何とも良い味出してた。
    結果として励起された気持ちの三姉妹の中でのやり取りが切ない。人生ままならぬ、でも、ありが〜とぉ。

    ③3650と3日(関戸哲也)感想】入り乱れるジェットコースター的負け組人生がとてもリズミカルで、役者が生き生きしてる。小関加奈さんのノリノリ加減が良かった。
    そして関戸さん脚本にしては、主役男性に優しかったなという印象。男性に降りかかる未来が余りにも理不尽すぎて、対照的に男性の愚かさが感じられなかったからなのでしょうか。いつもなら、もっと明らかな自業自得展開だけど、今回は珍しく同情。
    そして、顛末がとても甘酸っぱいわ〜。
    いい感じに赤面(≧∇≦)

    ④うつつに響く(永山智行)感想】今回一推し。小説の頁を一枚一枚めくる様な生々しい・じっくりとした描写。単に朗読してるからってだけでは無いな。10年熟成された想いを経て、頭の中で辿り着く沙織への理解は、現実なのか幻なのか、昇華なのか狂気なのか。ある種、ねちっこく偏執的な坂口修一さんの芝居が良い意味で怖い。脚本にベストフィットですわ〜。沙織の人物像も、姿を見せないからこその幅の広さと深さが良い。
    レコードを媒体にするという演出も気が利いていて良かった。

    ⑤夜のオシノビ(横山拓也)感想】故人を偲びつつ、否応なく時の流れと現実が忍び寄る… じっくりとした人間ドラマ的な前半の雰囲気から、一転、蔵田が出てくる後半へのギャップと展開が物凄い。何をするにしてもツッコミどころ満載の蔵田と浩輔との掛け合いは何とも言えぬ乾いた笑いに昇華しつつ、どんどん謎の人物化する故人の多面性が浮き彫りになっていくのが興味深い。当時の彼女の精神状態を推し量る情報を散りばめつつ、決して一意に収束させずに終わっていくのが良い味でした。

    ⑥橋の上のはなし(油田晃)感想】何か元ネタでもあるのだろうか… と思わせる程、支離滅裂感があるのだが、それでいて何故か微笑ましく、背景のドラマを勝手に脳内創作して補ってしまう。不思議な作品だぁ。オレオレの人達が何とも良い味を出してたよ。

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