満足度★★★★★
無題1924(16-214)、1925(16-215)
「戯曲の棲む家」3公演目、8/30(火)、8/31(水)、各19:00の回、60分。
1.「アンティゴネー」東向き(海外)
2.「戸惑いの午后の惨事」南向き(国内)
3.「ハムレット」北向き(海外)
「贅沢貧乏」のアパート公演はアパートの住人と町のお話。
こちらは他人の「(同時代的)生活感」を、言葉(原語)が通じないこともある「異質な時場」をみせてくれる。
「台所」という生活の生々しい場所が舞台。狭いが効率的な空間の上から下まで。テーブルの周りにはあらゆるものが置いてあり、場(横)がなければ重ねられる(縦)典型的な日本の家。
僅かな原作との接点、その接点とさえ大きくずれてゆく「芝居」。たとえば...蕨に「尼寺」はないし、亡霊もでないだろう。マヨネーズがきれかかっているのなら線路を渡ったスーパー(昔、よく買い物に行っていた)へ行けばいい。
それでも「家」は戯曲を指し示す。そして役者はそれに従う運命にある。
場の持つ磁力と対立する戯曲とのアンバランスがこの公演の魅力ではないかと思っています。
満足度★★★★★
アダプテーションものの傑作
「加藤家台所の惨劇」であった。私の、オリヴィエや芥川比呂志以来のハムレットのイメージを、わずか70分で一新してくれました。ありがとう。
我が家同様の整頓の行き届かない実際の台所で始まる。まるで現代、全く庶民風に。当然、政治も軍の動向もカット。
ただ改変があっても、セリフが朗読のところもあり、原作から離れ切ってしまっていないのが、よかった。