満足度★★★★★
衝撃的な世界観
劇団天動虫さん満を持しての本公演はエネルギッシュな人間活劇。
黒衣の群衆の中で一人、一つ先の世界を見据える主人公のウイリー、
そして市井の民の希望と欲望を誘う白いドレスの少女。
様々な想いと感情が絡み合い、深く考えさせられる無骨な舞台。
女優陣が多いにも関わらず、
白いドレスの少女以外、登場人物が全て男性であるのも意味深。
昨今の小劇場ではかなりの長尺の2時間20分も、
飽きさせず惹きつけるところは演出の妙であろうか。
劇団としての成長と表現力の幅を見せつけられた舞台でしたが、
個人的にはファンタジックな世界観と観客をひきつける、
軽妙なテンポの笑いもまた見てみたいところ。
劇団員のみなさんの多くが裏方だったのも少々残念でしたが、
千秋楽で、ジョニーさん、藤江さん、木﨑さんの3Sが観られたのは良かったです。
次回作はみなさんの登場も観てみたい、
そして演出の帆足さん出演の舞台も期待。
満足度★★★
面白いが冗長
飛び杼を発明したジョン・ケイの息子が、蒸気機関を発明したワットの弟子となり、さまざまな発明を続ける内に、蒸気機関を発展させた機械を発明しようとするが…、というフィクションを、新奇な発明で仕事を奪われるのではないかという不安をもつ労働者たちと対比しつつ、最後には思わぬ仕掛けも待っている。言いたい事は分かるし、興味深くのあるのだが、いかんせん、2時間20分は冗長過ぎる。同じシーンの繰り返しを排除し、説明的なセリフを思いきって切り、90分程度にまとめていたら素晴らしかったのに、と思う。