違うし、同じ。
時間堂版は深みのある味わいで、探ると更に奥に何かありそうな感じだった。それに対し、こちらは豊かな味わい。前面に広がる感じです。これが何処から来る違いかと言えば、まぁ役者が違うからって事なんですが。なんだろな。年齢的なものなのか、こちらは母性とか父性の様なものが滲んでいた気もするのです。
入り口を抜けると客席は左右2つのスペースに分かれています。視覚的に満遍なく観たいという方は左へどうぞ。そして視覚ではないちょっと別の感覚を刺激されたい方は右に座るのをオススメします。
満足度★★★★
演出家の魔法
ある意味昨年の時間堂版「月並み」は時間堂的ベストメンバーだったと思うのだが、それにどこまで肉薄できるか、という視点でどうしても見てしまった。演出家は魔法使いではないので、初絡みの座組であのレベル・あの空気を出すのは無理だろう。そして、最終的に演劇のポイントゲッターになれるのは俳優でしかないのだなぁと再確認。
が、ところどころ魔法が効いている瞬間があって、背筋がぴりっとして前のめりになったりして、しかも元々べらぼうにいい脚本(まさに演劇向け)なだけに、十二分に楽しめました。時間堂版と比べること自体が愚かしい。なので、点数としては4。