月並みなはなし 公演情報 月並みなはなし」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 違うし、同じ。
    時間堂版は深みのある味わいで、探ると更に奥に何かありそうな感じだった。それに対し、こちらは豊かな味わい。前面に広がる感じです。これが何処から来る違いかと言えば、まぁ役者が違うからって事なんですが。なんだろな。年齢的なものなのか、こちらは母性とか父性の様なものが滲んでいた気もするのです。
    入り口を抜けると客席は左右2つのスペースに分かれています。視覚的に満遍なく観たいという方は左へどうぞ。そして視覚ではないちょっと別の感覚を刺激されたい方は右に座るのをオススメします。

    ネタバレBOX

    時間堂版「月並みなはなし」との比較。それはやはり仕方のない事だと思います。だって過去にそれを観ているなら意識的に記憶から除外するなんて無理だし。特に自分は青山学院版も観ちゃったので、否応なく物語の展開も記憶している訳で。逆に言えば、物語を理解する為に頭を使う必要がなかったのでその分しっかりと人物の在り方を観ていられました。

  • 満足度★★★★

    演出家の魔法
    ある意味昨年の時間堂版「月並み」は時間堂的ベストメンバーだったと思うのだが、それにどこまで肉薄できるか、という視点でどうしても見てしまった。演出家は魔法使いではないので、初絡みの座組であのレベル・あの空気を出すのは無理だろう。そして、最終的に演劇のポイントゲッターになれるのは俳優でしかないのだなぁと再確認。
    が、ところどころ魔法が効いている瞬間があって、背筋がぴりっとして前のめりになったりして、しかも元々べらぼうにいい脚本(まさに演劇向け)なだけに、十二分に楽しめました。時間堂版と比べること自体が愚かしい。なので、点数としては4。

    ネタバレBOX

    個人的にはハナちゃんの存在感・一言一言がもう一つ大きいと、前半、中盤、後半の人々の心情の揺れがわっと同時に見れて良いと思った。ハナが変わるべきなのか、ハナの言葉を受け止める人々が変わるべきなのかはわかりませんが。
    キリンにはもっと愛らしく、悪意無くいて欲しかったし、ススムにはもっと底抜けにみっともなくいて欲しかった。だがこれは単なる好みの問題だよなぁ。何だろう、誰もが憎むべき人間の顔を持ち、だが決して憎めない、そういう微妙なバランスが成立して欲しかったということだろうか。全体的に、時間堂版よりも憎たらしいキャラクターが多かった印象。おっと、また比較しちった。
    見ている側がこれだけ過去に囚われているのに、やってる側が衣裳から口調から気質まで過去に囚われずやっているのには拍手を送りたい。
    しかし俳優だけでここまでやれる話なのだなぁということも恐ろしいが、同時にこれが、楽日まで変わり続ける、成長し続ける物だということが輪をかけて恐ろしい。俳優同士の噛み合い方やすれ違い方次第では、今日のマチネの何倍にも面白くなり得る作品。なんか、マイナス方向のことばかり書いているようだけれど、十二分に面白かったし、だからこそ「もっと」を期待してしまう作品でした。

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