満足度★★★★
後味が悪いとクセになる
オープニングから大団円とはどーゆーことだ
まるでトレーラーを見てるような
圧倒される
時代劇でありながらありえない設定や衣装、小道具など
おそらく
それら自体は他にもある手法だろうけど
観てないし
比較するのは無駄で無意味なことで
スマホなど遊び心満載かつ刀剣類は機動性に徹した小道具
信玄や謙信のパブリックイメージを独自の解釈で追求した衣装
音響、照明、もろもろ
それらが渾然一体となり、昇華
どんなに悲惨で切ない話も救いようのないラストシーンも
終演の暗転で全てが浄化される
それでも名状しがたい鉛のような気持ちを抱え
地下2階から階段を伝う
はやく空を、月明かりを浴びたかった
・・・はっ
ラストシーンって
役者は勿論、スタッフ、関係者全員がずっと背負ってたってことか
なんということだ
知らないのは初見の観客だけ
受付もやもぎりも、か
誰もがあのラストシーンの気配を微塵も感じさせずに
素知らぬ顔たぶん普段通りに振舞ってた
劇場に来たときからもうインビジブル・シャドウは幕を開けていたのだ
じわじわと込み上げてくる
想像の域だけど
猛暑の中、殺陣の稽古
夜通しかけてのミーティング
脚本や演出だって相当練り直したに違いない
そしてあのラストシーンが選ばれたのだと
満月を翌々日に控えた中秋の名月
滲んで見えたのは
そのせい
これぞエンタテイメントという気持ちに満たされとる
おかげで佳き中秋の名月になった