満足度★★★★★
三次審査
【f】トップバッター、最初からトップギア。二次の時は、三ケ所のスポットライトを飛び回るところ、機敏な動きの凄さの反面、灯りの中に入れずズレてしまっていたのが気になったけれども、それは解消され、それどころかさらに照明使いが良くなってた気がします、記憶違いでしたらスミマセン。
現代社会の中で生きる男性が、社畜として、父として、様々な困難と戦う様は、妄想とはいえ心理的にはまさしくこれくらいの戦いであるといえる。見た目の派手さの中にある心理世界が興味をそそられました。
本戦、伸びる時間の分、さらに掘り下げられた作品を期待します。
【b】相変わらずの攻め姿勢、隠す技術の秀逸さ(だがしかし見えてはいる)、全裸であるということがまるで嘘のような見えていないだけで本当は衣服をまとっているのではなかろうかとさえ思う自然体(だがしかし不自然に隠してはいる)、短距離男道ミサイルの真骨頂。場合によってはどん引きされることもあるこのスタイルで、見事に観客を味方につけてました。TPOを考えろ、この台詞に客席の心はひとつになったことでしょう。裸は強い、そういう言葉もありますが…脱げばいいというものではなく。作品としてこれくらいの完成度の高さがあって初めて面白さがあるというもので。いや、天晴れでした。筋肉美も天晴れでした。仙台までは…なかなか行けませんが、また観られる日が来ることを期待してりおります。
【e】わたしはグロいのが苦手です。グロシュールなこの作品がどちらかというと不得手でした。そこを抜きにしてみても、すみません、観てすぐ残るものがわたしにはありませんでした。じっくりじっくり反芻していけば、見えてくるものがあるのかな?とも思えます。
【c】出てきた瞬間に、おっ?って思いました。あんなに長くて可愛いカラー入れてた髪の毛バッサリ大人しめになってる、メイクがすっぴんに近しいほどナチュラルになってる。田舎でソフトボールをやってる女の子、という設定に、思い切りよく見た目からも近づいていったんだな~と気合を感じました。
それに反して、二次の時より元気がなかったかなって。あの弾けるようなエネルギーが静かになってしまっていて、緩急強弱をつける意図があったのかなぁと思いつつ、魅力が半減してしまった印象。
充分の精一杯だったかなって、充分に頑張ってたかなっていう思い、長い目で見ての伸び代はあれども・・・。
【d】唯一、二次と三次で違うものを発表した組。二次は、このトライアルというものはどういうものであるべきか、という事案に対して法廷に立つ弁護人の体で客席に訴えかける形式の一人芝居でした。三次もその流れを受け継ぎ、二次から三次まで、さらに本戦に向けてのストーリー性がある。もうそこからしても、演出ダイゴさんの手腕が光る。
脚本は得意の海外ミステリー仕立て、ぐいぐい興味を惹かれる面白い本。演出においても照明の使い方、音楽、効果音の使い方、たまらなく巧み。これは傑作だと思いました。
だからこそ・・・悔しい思い。11月までならば、きっと間に合ったのに。ダイゴさんなら大山さんを仕上げることが出来たろうし、きっと大山さんはそれに応えることができた。
観たかった、万全の状態のこの作品を観たかった。
でも・・・今ここで観客の心を動かさねば行けないのがトライアル・・・辛い。
【a】文句なし!ずるいわ~!笑いのセンス、哀愁、青木さんの魅力がこれでもかと溢れ出んばかり、いや溢れ出しまくりの大洪水でした。噛みも激減し、息切れも気にならなくなり、二次からまた一段と良くなった。これはもう間違いがない。ブラボー!
ほんとに・・・この中から選ばれるのが2組だけというのが惜しくて仕方ないラインナップでした。
惜しい・・・ほんとに惜しい。
選ばれた2組、どちらももう間違いなく素晴らしい作品でしたので、本戦で観られる方には、ぜひ楽しみにしておいて頂きたいです!
二次、三次と観てきたわたしも、ここから上演時間二倍に拡大された作品を観るのが楽しみです。