かぜがふいた 公演情報 かぜがふいた」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    魂を揺さぶる秀作
    「第7回せんがわ劇場演劇コンクール」のオ-ディエンス賞受賞作品。物語の構成に分り難いところもあったが、心で話す(黒)電話...その擬人化した芝居はとても面白く、そして泣ける。
    私事で恐縮であるが、自分の誕生日にこのような素晴らしい芝居を観ることが出来て嬉しく思っている。
    (上演時間40分)

    ネタバレBOX

    3.11東日本大震災から5年...骨太い情景描写と繊細な人間観察という対比を持たせて描いており、無機質な黒電話を擬人化することによって、そこに声なき人々の心の声が聞こえてきそうな、そんな豊かな感情表現を感じる。
    シンプルであるが、丹念でややもすれば王道的な描き方は、その観せる切り口がシャープなだけに観客(自分)が置いて行かれそうになるが、公演全体としては、目に見えない感情を上手く描き出し、その命題に向かう強固な意志は、この大震災の悲しみと痛みを十分引き出している。だからこそ、未来に向かう”力強さ”がしっかり伝わり、確かな前進、希望を感じさせ、前述の賞(特別審査員、市民審査員、全公演を観劇した人の投票で選出した公演)を受賞したと思う。

    劇団からのメッセ-ジ...実際にある「風の電話」を擬人化し、震災後そして現地から見る今を、押し付けるのではなく、物語を通して浸透させるアナグロファンタジーで紡ぐ、という。その説明の通りであるが、その主張は確固たるもの。

    この公演はコンクール参加作品であるから40分という時間枠の中で収めている。通常公演より短い時間であるが、場面転換に暗転を多用しているように思った。脚本には先に記したように悲しみを呼び起こすような痛々しさがあるが、それを乗り越える”力”を持っているのが”人”...そう信じさせる、また思わせる印象深い仕上がりになっている。

    芝居的には音響・照明という技術面も効果的で、総合的に観せる魅力を持っている(専門審査員の中には、その技術に頼り過ぎとの批評もあったが)。一般観客は公演全体を通して、その芝居で何を感じるか(面白いか)という観点からすれば観応えのある作品であると思う。

    この公演は、8月の0章作品(中野ザ・ポケットで本公演「かぜのゆくえ」)になっている。
    次回公演が楽しみである。
  • 満足度★★★★★

    無題1872(16-162)
    13:30の回(晴)

    13:15開場(全席指定)。

    1~3列目は平地、SE:鳥のさえずり。13:24前説&解説、13:30開演~14:08終演。

    このコンクール、2013/6にTHEATRE MOMENTS「パニック」を観ました。

    男と真ん中にぽつんと置かれたひとつの「黒電話」のお話し。

    誰が、誰に、かけて、何を、話そうか、伝えようか、聞こうか。

    波のシーンで吹く風を感じ、素朴で純真な演出と紅林さんのキャラクター(希望)が作品を味わい深いものにしていたのではないかと思います。

    ナイスコンプレックは「斜い人(2013/5@Sスタジオ)」「オレンジの迷信行動(2013/8@同)」「サバイバーズ・ギルト(2014/5@駅前)」、
    本作で4作品目。

    また8月に。

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