エピローグに栞を 公演情報 エピローグに栞を」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    会場の雰囲気を生かしたお芝居、ゆったりと気分よく楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    無題1861(16-151)
    19:00の回(曇)。

    18:30受付、開場。靴を脱ぎ部屋へ。座布団席+椅子席。庭を下手にみる座席位置。

    テーブル、座布団、縁なし畳。

    「古民家」というとても贅沢な会場で家族のお話を。

    家族だから一旦こじれたものはなかなか元に戻らないし、素直になれない。滝本さんの脚本は、関係性の奥にもっと暖かい関係を秘めている。

    劇中のもどかしさは氷解し、せせらぎとして流れてゆく。

    もちろん、脚本を活かす演出、役者の皆さん。

    永島さんはいつも芯を持った女性を好演、永田さんはTOKYOハンバーグの前回公演では観ることができなかったのでこの公演が初めて。中村さんはTOKYOハンバーグで。

    19:06前説(滝本さん、90分)、開演~20:36終演。

    虫の鳴く声が効果なのか本当に庭から聞こえてくるのか...。

    「1日目」「五日目」と日常は何事もなかったようにやってきて、過ぎてゆく。

    ギターと歌がちょっとしたアクセントとなって、ややもすると息苦しくなりそうなお話のよい切り替え役となってました。

  • 満足度★★★★

    ゲネプロ拝見
    ありふれた日常生活が、立てかけた栞の日めくりを通してゆっくり紡ぐられる珠玉な芝居。舞台となるのは関西にある古い家という設定である。その雰囲気をこの会場...古民家「ゆうど」はぴったりと調和する。本当に味わい深い芝居を観た、濃密な感興である。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    ゆうど...目白駅にほど近くにありながら、清閑な環境下にある古民家。場内は、座布団席と椅子席。下手に庭があるような座席。 テーブル、座布団、縁畳...その居間を舞台に、15年ぶりに娘と孫娘が帰ってくる。その家には老人となった父の姿と孫娘と変わらない女性が同居している。

    父と娘の間は確執があるようだが、その内容がはっきりしない。娘が家を出た理由もそこにあるようだが、その輪郭を描くこともなく、淡々と物語は展開する。芝居は冒頭、脚本・演出の滝本祥生 女史の「小説家をゲストに招いている」という前説から始まるが、この件は既に芝居の導入へ。
    劇仲の(祖母・母・娘)の3役を演じる中村優里サンがストリーテラー的な役割を演じる。そして冒頭ゲストとして登場する小説家は、もちろんこの方である。

    この家に出入りしている近所の酒蔵・福田慎二郎(大田康太郎サン)の役割が掴みかねたが、この人物が重要な伏線であるようだ。
    さて、娘と孫娘が帰ってきて父(祖父)に提案したのが、「遺書」を書くこと。映画「エンディングノート」(砂田麻美監督 2011年公開)を思い出した。それは死期近い父の姿を映像にする。本公演では死期が迫っているわけではない(ラストでは亡くなるが...)。単に小説の題材のようでもあり、15年の空白を埋める、それ以上に父娘の間で知らないことの理解をするという建前か本音が曖昧な理屈が並べられる。結局書き始めるが...。

    この父は、地酒を全国の商店に卸す仕事を生き甲斐にしていた。その結果、全国に地酒が普及したという。社会的には功があったようだが、家庭は顧みず母の死にも悔悟するような振る舞いがあったようだ。この父と娘の拗れた想いが氷解するようであるが、それぞれの当時の苦しい胸の内がもう少し表現できていれば、感動の度合いが違ったかもしれない。
    「遺書」という言葉への抵抗感、「生き様」のようなイメージで小説ネタにしたい娘。実の父娘、そして孫娘の関係が痛々しく、それでいてホッコリする関係が垣間見える。この身近で知っているようで、一方、面倒で疎ましくも感じる家族関係が実に上手く表現される。淡々とした日常、そこに確執・葛藤・嫉妬などの荒ぶる感情が...蠢く。

    この感情を体現する役者の演技は、キャラクターを立ち上げバランスも良かった。なお、ゲネプロということもあり、少し緊張があったかもしれない。

    B.LET’Sでは初めての古民家公演。音楽はアコースティックギターで生演奏、本当に素晴らしいひと時を過ごすことが出来た。

    次回公演も楽しみにしております。

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