天使の羽根が白いワケ 公演情報 天使の羽根が白いワケ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    少年とアンドロイドと画家・・記憶の中の物語
    芝居の間に入るアドリブはかすりもしないで、哀れだったが、その哀れさがなんとなく、可笑しくて仕方がなかった!(^0^)

    本人達はこれをやったら受けるんじゃあないかっ?!
    のノリでお披露目するけれど、ことごとく外れまくり、「んじゃあ、何をしたら、笑ってくれるねん!」と藁をも掴む神頼み!みたいな空気になってました。

    関西のお客さんなら、ちょっと笑う位の社交辞令はあるようだけれど、関東人を笑わすのがいかに大変か。身にしみて感じた事だろう・・(^0^)


    続きはネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX



    少年は絵描きになりたい。と母親に話すが、経済的な側面から母親は少年の将来の希望に賛成できない。
    それでも少年は夢を諦める事ができなくて、少年は画家の生徒となり、絵を習うこととなる。


    画家は「自分を表現したいから絵描きになったはずなのに、自分を表現する方法を忘れちまった。」と言ってスランプに陥っていた。

    ところが、アンドロイドの提案で絵を習う事になった少年を教えているうちに、スランプ中だったはずの画家は、少しずつ、自分を取り戻していくのだった。


    一方、ニュースキャスターを職業に持つ母親は、そんな少年の夢を、心もとなく思い、もっと、現実を見つめるように説得するが、少年は納得がいかない。

    親子は平行線のまま交わるきっかけがないが、そんな少年の心を読んだように、画家は少年に話すのだ。

    「親は子を幸せにしようとする。だが、その幸せは本当に子供の幸せかどうかは、解らない。でも、ちゃんと話せ。目を背けずに。そうして、親に恩があるなら、親よりも長く生きて幸せになることだ。」・・と。


    画家の家に居るアンドロイドは、ニンゲンと一緒に居るうちに、やがてブラックBOX(心)を宿す。

    怒鳴ったり、怒ったり、大声を出したり、自分の感情にコントロールが出来なくなり、その原因も解らない、と言い出す。

    そう・・アンドロイドはニンゲンと同じ感情が芽生えたのだった。
    そうしてアンドロイドは画家が約束した通りに、ただ自分を描いて欲しかっただけなのだ。
    願いはたった一つ。
    私を描いて。



    アンドロイドの暴走のニュースを報道する度に不安になる母親。
    自分が開発したアンドロイドを我子のように守ろうとする博士。
    暴走したアンドロイドを確保する為に罠を仕掛けようとする見張り役。

    それぞれの思惑が錯綜し、劇中に引き込まれる。




    それから数年後、少年は母親と話し合い、芸術大学へ進む。

    そして、少し大人になって解ったんだ。
    僕は自分で思うほど、それ程、絵が上手くなかった事。
    大学は絵の上手い人が沢山いるからね。
    そして、描きたくない絵も描かなくてはならない事。

    そうやって、少しずつ大人になって画廊に勤めることになったんだ。




    あの時の廃屋もそこに居たスランプ中の画家も、実は僕自身だったんだ。

    そうして、迷っていた僕をこの廃屋に導いてくれたアンドロイドは、



    僕の心の天使だったんだ。




    そんな、美しい物語。

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