満足度★★★★
鑑賞日2016/05/14 (土)
フィリップ・K・ディックの小説やスチームパンクのような、ある種のSFめいた非現実感、あるいは現実が虚構に浸食される感じや人でない者の意識を具象化する印象がジンワリとまといつくような不思議な舞台。
観終わってまたすぐに観たくなって、ファンの方々がこの劇団を称する「観るドラッグ」という形容詞に納得した。
満足度★★★★★
観劇から時間が経っても、いや経つほど残像が消えない
クロムモリブデンは初観劇
観終わった後はやや圧倒された部分もあってかそこまで心が動かされた感があったわけではなかった
しかし、時間が経てば経つほど、脳が整理して言語化というか感覚化していっているのか、場面や台詞、登場人物の表情などが薄れるどころかくっきりと思い出せ、リズムを刻むように頭のなかで踊りだしている状況
役者さんが全員存在感が半端無くて技量も素晴らしかった
荒涼とした心象風景をステージに、心地良いテンポとリズムの中で暴風のように過ぎ去っていく場面場面が非常に楽しかった
DVDが早く欲しい
満足度★★★
どう面白がるべきか
クロム観劇は二作目。そのかん、過去作品の台本を一度読んだが、分かりやすかった。期待させる設定からの展開には、他の選択の余地もありそうで、割と平均的日本人の感性から、ちょっとした差異を楽しむ作風を感じた。日常を囲んでいる世界そのものの首根っこをつかんで揺さぶることはないが、「?」を提示してみる、というもの。とりあえず芝居が始まって最後まで客の注意をつかまえて、キープして、ある「ラスト」にたどりつき、「ああ芝居を見た」という気にさせて送り出す。
しかし、劇場でみた芝居は2作ともナンセンスが勝っていて、作者の挑戦だとしてそれはどこに向かってのものか、捉えづらいものがあった。
今作は奇妙な早口言語をやり取りしたり(時に斉唱しているのでコトバは決まってるのだろう、大変ご苦労だ)、不明な世界だがナゾ掛けは序盤で期待感を持たせる。どうやら「物語」も一応進行しているらしく、幾つかのエピソードが交互に語られ、それぞれに属する役名を、判別するのに(クロムの役者を詳しく知らないし席も遠くて顔が判別できず)、大変だった、というか出来なかった。
もっとも、物語を紡ぐことが目的とされているなら同場面に存在して関連しあう人物のアンサンブルによって、出来事や状況のニュアンスは伝わってくるものだが、そもそも変則的な演出が紛れ込んでいて、解読が難しい。芝居を観ながらどの部分を押さえておくべきか、どのあたりに価値が置かれているのか、そもそも何を楽しめばよいのか、結局前面には出て来なかった・・・というのが私の評価だった。好みか、価値観の問題かも知れないが。
後半は「奇妙言語」は影を潜め、物語叙述が主になっている様子。でもって最後、何か「感動」らしい雰囲気を醸したりしている。でもその感動風は芝居の全体を集約したものになっているのかは、疑問。「ドラマの終わり」っぽい場面を、結局は借りるしかなかったということではないのか。挑戦はどうなった。何に収斂されたのか。
「分からない」ながらに偉そうな総括をすれば、何のために、何に向かって模索し、もっと言えば演劇を続けているのか(それを言っちゃおしまいか?)、演劇というものを手段として「何」を表現し続けたいと望んでいるのか・・・暗中模索状態なのではないかと、勝手に想像してしまった舞台。
以前見たナンセンスな「ラスト」に、そこだけ浮いてはいたが秀逸な感覚をみた。それゆえ、リピートでもう一度観に行った。ところが二度目に観たとき、あの秀逸なラストは、なんと「省略」されてしまっていた(短縮バージョンに)。「模索中」との印象は、じつはこの事実に基づいているのだが・・。
「これぞクロムモリブ」、という舞台を、一度みたい。
かなり勝手な意見を申したがご容赦を。
満足度★★★★
幻覚
これ、公演を観てない演出家さんに台本だけ渡して好きなように演出してと頼んだら、原型をとどめないくらい変わっちゃうでしょうね。そのくらい、完成形の見えないものにしっかりと形を与えてる。意味不明なところがあっても付いていけて、いつのまにか感動してるあたり、さすがクロムだなぁと思いました。
満足度★★★★
楽しい
葛木さんVer観てきました。
今までのクロム作品の中では一番好きな方ですね。
とても客観的に観られたというか、
確かに分からないセリフとかありますが、逆にセリフが言語として分かったら、内容が分かるのか?と言われれば、あまり言語としてのセリフは関係ないような気もしてきました。
この対極にあるのが、同時上映?中の、ダルカラの「演劇」で”言語化をあきらめない!”と。
今回、両作品をみて、両方の劇団に出演している、川村紗也さんのふり幅の凄さに感心しました。
とにかく、いろんな演劇があって、それぞれ面白いなぁと思ったのでした。
満足度★★★★
クロムならでは
先週の葛木さんに引き続き、くぼかんさん出演の回を見て来ました。
相変わらず、パワーマイムはかなりのツボです。
クライマックスの言葉集もツボです。
そして、久々のクロムでのくぼかんさんも凄く面白かったです。
やっぱり、クロムの舞台ならではですね。
満足度★★★
終始戸惑いっ放しでした
こちらの劇団の作品は初めて観ました。
たくさんの演劇を観てきて、未だ観た事の無いような表現方法に出会う事はそうそう無いだろうと思っていましたが、まだまだあるものですね。
あの意味の無い擬音の応酬が、この劇団の持ち味の一つなのか、本作のみの表現なのかは存じませんが、初めての事に終始戸惑いっ放しで、最後まで理解力が及ばず、初めは興味深く観ていたものの、終盤にはそれがだんだん子守歌に…。
クロムモリブデンを楽しむには、もう何作品か観続ける必要がありそうです。
満足度★★★
鑑賞日2016/05/21 (土)
座席1階D列
観てきた!!
あいかわらず動きや台詞回しが印象的で夢に出てきそうです。
独特な世界観が癖になります。
翼とクチバシもください
ここのところ暑くなって来て、そうなってくると異常に寒くなって来る電車や劇場美術館。なので開場の時に膝掛けがないかうかがったところ、残念ながらなかったのですが、終演後退場の時に「何度か温度調整をしたのですが大丈夫でしたか?」と声をかけていただきました。心遣いありがとうございました。
満足度★★★★
アンディー
当日パンフに意味の無い言葉と動作とあったが、それを揃える役者さんの技量と舞台として成立させるクロムモリブデン。ああ、これがクロムワールドだなと感じた。ただ、以前よりだいぶ役者さんが代わってきた事に、少し寂しさも感じた。
満足度★★★★
大好き
大好きなクロムの公演ですが、
今回のパワーマイム的なのが物凄くツボでした。
何度も吹きだしちゃいました。
そしてクライマックスで重低音に身体がしびれました。
満足度★★★★★
完成度高し
いきなり独特な世界引き込まれ、気がつくと終わっていた。物語もしっかりしていて、不思議な感覚を感じながらも面白かった。特に終盤の、アンサンブルは圧巻だった。
全体的にいつも以上に洗練されている感じを受けた。その分、毒気は少なめ。
もしかしたら、ターニングポイントになる作品かも。次回以降に期待が高まる。
満足度★★★★
いつもより、大人でシュールなクロムでした
いつもは、もっと毒があり、ハャメチャで、毒の強い疾走感が、魅力的な劇団ですが、今回は、やや落ち着いて、大人の雰囲気のクロムでした。
これはこれで好きですが、個人的には、もう少し、毒気が強い方が、クロムらしさを感じられて、良かったのにと、やや消化不良な部分もありました。
でも、今回は、役者さんに力不足の方が皆無なので、心静かに、舞台に集中することができて、大満足でした。
とかげさんが、とても魅力的で、同性ながら、うっとりしてしまいました。
あの台詞、皆さん、どうやって覚えたのかと、この劇団の役者陣の力量に、ただただ脱帽します。
満足度★★★★★
熱に浮かされているような不思議な高揚感
曲がるカーブ以来、二回目の観劇。おそらく熱に浮かされた時に、表面上は苦しみながら脳内ではこんな光景が入り乱れているのだろうなぁと思う奇妙な空間がありました。
意味のあるなしがどうでもよくなる擬音とメリハリのある動きに、なんだこれと思っていた私も、最後はその空間が去りがたくなる親しみを覚えました。
まさに謎の高揚感がそこにありました。
満足度★★★★★
帰り道、花火大会から帰る時の感覚になりました。
全く意味がないことに、意味があるような気がしてきたり、意味はわかるけど、意味がないような気がして来たり、意味がわからなくても面白かったり、と不思議な気持ちになりました。帰り道に歩いている時に、花火大会から帰る時の感覚になりました。奇麗でした。迫力がありました。アンディーやってみたくなりました。でも、危なさそうなので、辞めておいた方が良さそうですね。クロムモリブデンの公演「翼とクチバシもください」は観ておいた方が良いです。