満足度★★★★★
最後まで
息の詰まるような苦しいような、でも見終わったらいい舞台を見たなぁと感動。
演者さん全員がとても高いレベルの方達ばかりで迫力があった。
とくに南被疑者のシーンでは笑いもあり、しかし胸を突く部分もありその切り替えが本当に見事。
いしだ壱成さん演じる亀矢の気持ちが辛い位に伝わってきて始終手を握りしめたためか、帰りには手のひらに爪の跡がつくほど。
良い舞台を見せていただきありがとうございました。次が楽しみです。
満足度★★★★★
坂中警部補役の世良優樹くんがいい!
初演を見逃がしたものの、2011年・2014年と見続けている舞台。
役者が変わると別物だなって、毎回思う。
今更ながら、坂中警部補の、この物語での重要な役割に気づいた。
世良優樹くんの演技がいい。表情が豊かだし、動きがいい。
主演のいしだ壱成さんは、期待以上。
他の役者さんの熱演も、是非観て欲しい。
満足度★★★★★
世の中にぼくみたいな人間が一人ぐらいいてもいいですよね?
RISU PRODUCE 「ぼくはだれ」vol.18
再演の様ですが私は初見でした。
刑事と被疑者の11日間に及ぶ取調室での攻防。約2時間の公演時間でこんなにも内容が濃く、何よりも役者さんの演技に引き込まれました。役というより一人一人の人間の生きざまを魅せられた様でした。
劇中で『世の中ぼくみたいな人間が一人くらいいてもいいですよね?』という台詞が出てくるのですが、この台詞がとても深いです。
詳しくはネタバレBOXにて。
29日まで下北沢、小劇場B1にて公演中です。是非観て欲しい作品です。
満足度★★★★★
壱成さん。
この舞台は緊迫した場面がずっと続くけど、それを唯一和らげてくれるやすしくんの存在がよかったです。
渡辺裕之さんやキャストさん全員よかったけど、特にいしだ壱成さんが素晴らしかったです。
見ているこちらも心が痛くなっちゃうし、ほんと精神的にもキツい役だと思いますが、場面が進むにつれ窶れていくような変化、細かい動き、表情等、本当にすごかったです。
間近で壱成さんのお芝居が見られて嬉しかったです。
満足度★★★★
RISU2度目。改訂再演を重ねている名品を睨める。
カーテンコールでの挨拶から去りの最後までが演劇。。終演時点の印象から逆算させる=効果狙いでなく、「信じている」まこと(心)を、感じてほしいとの願いの表現。「舞台が終わればおしまい」ではない、とはその通りだ。問題が明白でありながら手を付けられない事は山ほどある。
いしだ壱成演じる被疑者のエピソードを中心に、警察署取調べ室での模様を描く。
非公開な密室での取調べが冤罪の温床であること、大枠としてはこれをテーマに物語が構成されているが、テーマを目的とした演劇ではなく、両義的な解釈の余地も残し、その分だけドラマとしての余韻が残る。暗転を多用し、神妙にたたずむ外ない残影に、少しくらい笑いをこめる余裕があってもいいのでは・・と感じなくもなかったが・・。
4名の警察官それぞれのキャラクターと役割が明確で、ナレーションの声は新任刑事のそれとおぼしく、この観察者の視点で観客も、他の人物たちの言動や場の光景を睨(ね)める態度でよいのだ、と悟った頃には物語も終盤にかかっていた。
「真実」こそ明らかになるべきだと信じる弁護士の、もっとも正しく健全な眼差しを曇らせる展開には、物語の中に「告発」さるべき事由を込めておかなきゃならない必要上からであっても、被疑者の敗北が彼自身の脇の甘さのせいだと見えてしまう。それを「人物像」でもって説得力を与えていたのがいしだ氏の役作りということだろうか。(「堕ちた」人物が如何にも合う)
キャラクターと言えば、他の刑事もそれぞれにハマっており、実直寡黙な年輩刑事役の渡辺裕之氏が、ある被疑者の言葉に不意を突かれる演技、お約束な型とはいえ無言の芝居、「俳優力」ってなあるもんだぁなと普通に感じ入った。
抑制のきいた舞台。「刑事モノ」を最後までシリアスで通す難易度のハードル越えは、台詞、対話の真実味の勝利。作者はこの世界に浸り切って書き写しているかのよう。
展開にからむ事のない逸話が語られても、聴かせるだけの重みがあるので、「物語」に回収されない分、「物語」という円環の外部すなわち「現実世界」に通じる穴があく。舞台空間に「現実性」がじんわりと生まれてくる。
たとえば、根明な殺人犯に関西弁の取調べ官が「独り身でさびしいだろうに」と言われ、「おいおい女房子供いるよ」と返すと「何だか独り身に見えるけどな」とボソリと呟かれる・・この会話などは、特殊な事情をもつ殺人犯の「警察署での楽しい思い出」と位置づけられる場面の一部ではあるが、特段オチのない「独り身みたい」という彼の感想は、ただその刑事への心証である。通常は「観察する側」の取調べ官がこの時ばかりは「観察される側」となる一陣の風になっているが、その会話じたいは、「そのように見られた刑事がここにいた」という情報以上のものでない。
「物語」に回収される(作為的)台詞だけで構成されていない、という事は無駄のある、という事になりそうだが、その余白は「そこはかとないアリティ」だけが支えている、と言え、そういう味のあるシーンが、そここことあったように思う。
作家の面目躍如、または俳優の熟演の賜物。
満足度★★★★★
空席が本当にもったいない!
難しい内容かと構えて挑みましたが取り越し苦労でした。
実際の取調べを傍聴しているようでとても理解しやすいし、
小さな劇場だけにより緊張感が伝わります。
観終わった後、心から警察のお世話になる様な事にはなりたくないと思いました。
いしだ壱成さんは不幸な役どころがピッタリはまっていました。