小節の魅力
都はるみの座長公演は25年ぶりのことだという。昭和の大歌手があのだだっ広い新宿コマ劇場で数かすのショーを行い、多くの人を和ませてきた。まぎれもない事実。その新宿コマ劇場は舞台こそ華やかだけれど、客席から天井をみれば、すすけて一部は塗料がはがれてきており老朽化していることはごまかせない。立て替えが予定されているコマ劇場での最後の公演として都はるみは舞台に立ったのだ。
後半の歌謡ショーの部分。テレビやラジオ、録音で聞き親しんだ都はるみの歌を聴けるものだと思った。しかし、アンコ椿は恋の花から、ちょっと違う。大阪しぐれも北の宿からも好きになった人も、録音できいたそれとは違うのだ。そこには、録音を再現すればいいという歌手の姿はなかった。
都はるみと言えば小節である。唸りである。それは存分に聞かせるのであるが、
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