満足度★★★★★
大人のおアソビ
毎作品感じること。菅尾なぎささんの遊びゴコロのくすぐったさ。着眼点のユニークさとそれをカタチにする構成力によって作られたオトナの遊び場。なぎささんが愛で信頼するオンナのコたちで遊んでいる。毎回、そのアソビに入れてもらっているのだな。ま〜ぜ〜て。という感覚で楽しむコトが一番。オトナのアソビ場を安全に存分に楽しむにはイカシたコンセプトによるルールの遵守が重要。その制約がアソビの魅力を倍増させる。まず、クリウィムちゃんは無表情で無言。それが堪らなく愛しい。そう感じる自分の中の変態に出会う。あとはなぎささんが操るクリウィムちゃんたちの誘導に身を委ねればいい。これでもう、竜宮城の太郎さんだ。ラストのダンスで、寝そべってゲームコントローラーを操るクリウィムちゃんたちが干潟のハゼに見えたのは偶然?彼女たちのダンスには、必ず静と動が融合されている。それはまるで抑圧と解放。抑制と開放とも言えるかもしれない。時には人の一生にも見える。生まれ、ハイハイして、困難と達成の青春から成年、やがて母のお腹へ帰るよう。常に女性への愛に満ちている。今作は、先頭ゲームの様相を呈しながらもクリウィムちゃんを所有したような不思議な気分になった。それにしても、彼女たちの頭の中では物凄い量のデータが渦巻いていたのだろうなぁ。野球のサインプレーの比ではないだろう。賽の目を振るような博打演出で、出たとこ勝負のダンスとなれば、結局披露されることのなかった振付もあっただろう。その無駄を承知で用意することの覚悟と贅沢さ。正に芸術的ではなかろうか。なんと儚いことか。その潔さ。刹那。それに触れることができた喜びを噛みしめよう。