満足度★★★★★
鬼ファンタジー
要するに、劇団「さるしげろっく」とプロデュースユニット「Hal's Party」とのコラボですわね(^^)
■ Story
天皇の正統性を示すといわれる三種の神器。それらを守る、鬼の一族と呼ばれるもう一つの闇の系譜を持つ天皇の末裔。
その末裔に生まれた男女の双子。その姉弟をそれぞれ主人公にした2幕劇。
いあーーー、観劇じゃなくて感激しましたっ!
企画が素晴らしい!!
芝居が2部構成になっていて、
一幕がさるしげの脚本、演出は共同。
二幕がHal’sの脚本、演出は共同。
一幕・二幕は時系列順に並んでいるけれども、その視点が異なる。
第1幕「藤の花咲く村の名医」
争いの種を持つ三種の神器。その守人として人に忌み嫌われる怪しげな力を持つ鬼の一族を飛び出した弟キイチ側からの視点。
第2幕「不如帰去(ホトトギス)~時つぐ鳥~」
一方弟キイチが投げ出した、三種の神器を守るため、「ヤガミ一座」として東京を転々としながら興行を続ける姉のキキ側からの視点。
この2作を両方見ることによって互いの作品の主役キイチとキキのそれぞれの伏線がクロスしてかみ合う………作品としてひじょうに美味で奥が深い。
鬼二人がニンゲンによって陥れられ翻弄される。
本当の鬼はどちらなのか。。
それでいて笑わせる部分のセリフが完璧!
あの3人がいい味だしてる。。
そして、それぞれの持ち味を出してる役者も素晴らしい!!
かなりのハイレベルな脚本・演出・役者、そして照明が凄いっ!
最後の部分、キイチとキキが鬼となって戦おうとする瞬間、ステージ上で二人は止まり、その止まった角度が美しい。。
一つの画になるように計算されて・・・
ハラハラと桜吹雪が舞い降りたかとおもうと、周りは暗くなり、止まったままの二人の美しい画像にスポットライトが当たり、更にキャンパスに書いた水彩画のごとく浮かび上がる鬼二つ。
なんて美しい。。美しい。。
書上奈朋子の曲がBGMに使われていて、それもこの舞台にあっている。。
その美的センスは芸術的で観終わった後、ずっと余韻は残るのでした。
民俗学的なストーリーなので、民俗学の第一人者、小松和彦の本か京極の本から脚本を書いたのだろうか・・?
で、脚本家の黒木崎六九に話を聞いたところ、違う。とのこと。。
そっか・・・何も材料がなくてあんなストーリーを作れるんだね。
やっぱ、才能だろうか・・・。
劇の画像はこれ↓
http://hann.dion.jp/stage-photo/s-zinki.html
さるしげろっく、って・・・
猿山のぼる の さる
賢茂エイジ の しげ
黒木崎六九 の ろっく から取ったのね?(意外に単純)
いあーーー、やっぱ舞台は素晴らしいーーー!!