Dの再審 公演情報 Dの再審」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★

    「名探偵」への思惑、入り乱れ。
    上演時間はおよそ95分。

    当日パンフレットにも、作中にも「D坂の殺人事件」の概要説明があり、
    未読者にも親切なつくりでした。
    模擬裁判ということで法律用語も出てきますが、
    それも作中の一般人に説明するというていで解説されるので
    置いて行かれずに観ることができました。

    対面客席の奥→手前の順で、2回観劇。
    2回目観劇の時は開演がおしましたが、
    「3分」とスタッフの方が具体的な時間を言っていたのが好感持てました。

    役者さんのスタンバイ位置の関係で
    一部が確実に観づらくなる…という席があり、
    そこには置きパンフレットの上にその旨が書かれた紙が置いてあったり、
    空席に余裕のある段階で見切れそうな席に座ろうとする人に
    スタッフさんが個々に「○○なので、見づらいかもしれませんが…?」と
    理由を告げて他の席に移る選択肢を提示していて優しいなと思いました。

    アンケートがWEB方式なのも、
    時間を気にせずゆっくり書けるので良いなと思います。
    (スタッフに申し出れば紙のアンケートも用意があるとのことでした)

    直球・変化球のセリフが入り乱れる論争劇、楽しかったです。
    (今まで観た柳井さん作品の中で、
    いちばん役者さんが噛むのが多かったなぁという感想も持ちました)

    台本販売に加え、DVDになるというのも、とてもうれしいです♪

    ネタバレBOX

    実際のところ、全部を見渡せる席は無いのだと思います。
    (対面客席である事に限らず、誰の、どの舞台作品もそういうものだと思う)

    ちなみに自分が1回目に座った
    奥側のパイプ椅子席(3列目、向かって最右)は、
    役者が出てくる部分がちょうど見えない位置でした。
    登場の瞬間の表情や、
    作中のある再現シーンで「部屋の中」にあたる部分が見えづらかったです。

    2回目観劇は手前側の席に座って、人物の入場時の表情と
    「部屋の中」を見ることができました。
    (そうすると、判決時の検事の鳩野さんに対するあの表情が見えないけども)
    でも役者さんが常に人間らしく登場人物を演じているので
    その瞬間の顔が見えなくても、
    彼らがどんな表情をしているかは
    見えていた人となりから想像がつくようになっていました。

    「明智小五郎が実在している」という設定が面白く、
    でも本人の姿は登場させないというのが面白いです。
    それによって、各々の中にあるイメージを壊すことのないまま、
    作中に出てくる発言たちによって「名探偵・明智小五郎」を崩すことに
    成功していると思いました。

    蘭子さまがみんなに背を向けて、
    一度は崩壊寸前になった模擬裁判の配置が、鳩野さんの発言から
    連鎖的に元の位置に戻っていくさまが美しかったです。

    判事が服を脱ぐところ、秘書さんが「ふたをする」ところなど、
    その行動が行動以上の意味を持っているように見えるシーンとか、
    登場時に依頼人と依頼された人が実は目線を交わしている所とか、
    なぜ彼女がその単語に反応を示したのか、など
    伏線もあって見ごたえありました。

    もし最前列に座ったら、格子の布の色実験は目視できたのかなぁ…?
    あれは自分の目でも確認してみたかったです(笑

  • 満足度★★★★★

    行き先がわからない密室事件
    原作のあるものからこれほどまでのトリック、ロジックを展開していくのは流石だなと感じました。役者の方々の演技も間近で見てその迫力、役の思いが伝わってきました。

    ネタバレBOX

    どの登場人物も人間らしく、『自分を正しいと思うことで自己を保っている』。(一番印象に残ったセリフがこれなのですが)密室に囚われているのだなあと思いました。『眠る羊』でも思いましたが、法廷用語や小説の内容など押し付けがましくなく説明して下さるので安心して観劇できました。
  • 満足度★★★★

    真相をめぐる推理論争
    リハーサルの場で真実が暴かれるという会話劇にちょうど2年前に観た十七戦地の「眠る羊」を思い出した。脚本が同じ柳井祥緒だ。殺人事件の真相をめぐる推理論争は面白いのだが、まだ公演2回目のせいかいろんな面でこなれていない感じがした。

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