谷間の女たち widows 公演情報 谷間の女たち widows」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    アリエル・ドルフマン作「谷間の女たち」
    約3時間休込。予想以上に凄い戯曲…。血の沁みた大地、死者を待つ川辺、巨大ギロチン、女たちの群唱…と想像広がる。軍隊の事情を知るにつけ日本の危うさに震える。水谷八也さんのパンフ掲載文にも涙。
    伊藤雅子さんの抽象美術に佐々木真喜子さんの照明が凄い。八百屋舞台の赤黒い鏡面床にシビれる。スタッフワークだけでも一見の価値ありと思った。

    ネタバレBOX

    ステージは巨大ギロチンの下に広がる血の海にも見える。トウモロコシ畑が広がる野原にも。
    最後は男たちと対峙して踊り出す女たち。
    少年は石の向こうの手を握ったのかな。
  • 満足度★★★★

    女たちの躍動を見よ!
    主役は、老婆ソフィアを演じた久保田民絵さんである。だが、谷間の川で洗濯をする女たちは、どの人も夫か父か、兄弟かを連れ去られて行方知れずだ。群像劇というわけではないが、どの役の女性も強烈な存在感を発揮し、舞台で輝く。劇団昴の女優たちが総力を挙げている。

    それは、舞台装置が非常にシンプルで、女たちの全身の演技が、せりふと共にあふれ出てストレートに伝わってくるからだ。最初は抑圧に沈黙していた女たちだが、愛する家族を返してほしい、死んでいるのなら遺体を埋葬させてほしい、そして、その結果を招いた人を処罰してほしいと、ごく当然の要求を口にし始める。

    もう一つの見どころは、表面的には民主主義に理解がありそうな隊長と、抑圧し沈黙させることが平穏の鍵と考えている副官の対立である。女たちの変化によって、隊長はどう変わっていくのか。ここに男たちの現実を見る。

    自意識が過剰で、物わかりの良さそうな権力者ほど怖い、という歴史の教訓を明確に示した舞台。別に、わが日本国の今の総理のことを皮肉っているわけではありませんよ。

    ネタバレBOX

    一人の女に夫が帰される場面がある。そこで女たちが演じる入浴シーンが、はつらつとした生気をあふれさせているのがすごい。

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