満足度★★★★★
初日にA班、楽日にB班を観劇
1990年代の月9ドラマ(音楽によるところが大きいかも?)か柴門ふみか…な王道胸キュン恋愛物語。
思い切りベタなラプストーリーをリアルな人間界を舞台に90分程度にまとめるのは、ましてや惚れ薬やら疫病やら出てくるのでは難しかろうところ、龍宮というファンタジー世界にしたのは妙案。
更に龍宮での出来事とすることで人間関係の説明を省くことも可能ならしめているし、新たな価値観さえ附加(←過言)して見事。
切ない終盤からラストにかけても良く、プロローグが実は…と終盤でワカるのや紙ヒコーキの使い方とか惚れ薬の使い方とかもまた巧い。(ラストの装置のシカケは劇団桟敷童子や劇団離風霊船を想起)
また、ある人物の「心の声」の「見せ方」(A班のみ)にはワロタ。
欲を言えばあの「憎まれ役(“悪役”ではないよね)」にはもっと暴れて…と言うか掻き乱して欲しかったが、全体のバランスを考えればやむなしか?
スタッフワークは他に“承認式”と“走る乙姫“の場面の明かりがイイ。
ただ、音楽も良いが1曲目のアレは知っている身として違和感あり。
あと、いつもながら会話/台詞のセンスが良くて心地好い。
物語のキーとなる大事な台詞とかいわゆる名台詞などではなく、単に物語を進めるだけの何気ない会話がウィットに富んでいると言うかウマいことを然り気無く言うと言うか、だから具体例を挙げられないんだが…
そんなこんなで、今まで観た中で(旗揚げの「フランスパン…」は見逃した)一番好き。
なお、定刻開演もお見事!(本来は当然のことをしているのについ誉めてしまう昨今の小劇場界…(毒))
ちなみにA班(18S観劇)はファンタジックなのに対してB班(23S観劇)はリアルタイプ(配役もそうだし、一部の演出もオーソドックス)と差別化を図ったのもイイ。
で、結末を知っているとプロローグでクるよなぁ…。
満足度★★★
teamBを観劇
浦島太郎を題材にした恋愛もの。
昔ながらの少年・少女漫画を見ているような、少しほろ苦さの残る青春ラブコメって感じですね。
悲しい結末ではあるものの、私にはラストはすっきりとした印象を受けました。
それぞれが誰が好き!ということは明白なのですが、
唯一、四朗の本心だけ最後まで分かりやすい形で明示しなかったのは良い演出だと思いました。
紙飛行機や夏の花のくだりがより効果的に感じられました。
誰か1人でも…
19:30開演の【B】チームver.を鑑賞。
客席にも海を配置する趣向が素敵!
劇場が地下にあるのも相まって、徐々に深海に潜っていくような気分になれたし。
あと、衣装がすごくそれぞれのキャラクターに合っていて眼に楽しいです。
―皆がよく知る「浦島太郎」の物語の背後にはこんな切ない恋模様が隠されていたのです…。
なーんて、モノローグが似合いそうなお話。
海中月9だー、心ぴょんぴょんですなーと思いながら観ていましたが、ただ甘いだけのおハナシではありませんでした。
後味がほんのり、しょっぱいよ…海の話だけに…ってやかましいわ!