満足度★★★★
モロさんできゅっと引き締まった
別役実フェスティバル参加作品。別役の不条理劇を余すところなく楽しめます。
家族として生活しているのだが、まったく違う感覚ですれ違っていく。季節を追うごとに家族があえて一緒に何かをするという姿に、笑いもちりばめられているのに、何かもの悲しさを感じてしまう。それはまるで、季節の移ろいに感じる何とも言えない悲しさのように。
1993年に木山事務所が初演してから20年以上たつが、この劇で描かれている家族の姿は、当時よりも今の方が実感として多くあるのかもしれない。劇団銅鑼は家族の肖像を演じるのはお手のものだが、モロ師岡さんが客演してぴしっと引き締まった感じがする。
銅鑼は今年3月、青木豪作の「父との旅」を一幕物で上演した。この作品を見て、今回もとても期待して見に行った。「引き締まった」というのは、前作と比べての印象です。