おつきさまがついてくる 公演情報 おつきさまがついてくる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    向こう側の客席が見えるけど「独り」。その説得力!
    小栗さんの作品が観てみたくて、
    前情報は、ほぼこりっちの記載事項のみで観に行きました。

    手前と奥の挟み舞台で、
    休憩なし、約2時間。

    かけ離れた設定を通して、
    私たちと同じような「当たり前の生活」を描くのが面白く、
    俯瞰で観ていたつもりでしたがいつのまにか入り込んでしまいました。
    (役者さん達がその設定を
    行動のなかに自然に取り入れてたので、
    違和感がなかった)

    観劇前、
    スタッフからの諸注意が、ラジオの音で聞こえづらかったです。

    ネタバレBOX


    この世界におけるタマちゃんの立ち位置が
    もし自分だったら苦しいだろうなぁ…と。
    シュカに聞こえないように言うあの一言に、
    彼女の抱く複雑な愛憎を感じました。


    シュカ達のような事になったことはないし、
    似た境遇の人も知りませんが、
    観ていて感情移入ができるのは
    演技と演出と細やかな言葉づかいのせいなんだろうな…
    思い出とリアルと幻覚の間で
    「触れよう」としている姿に涙があふれました。


    歩道橋のシーンの照明の使い方、とても効果的でした。
    作中の生演奏も、音楽への移行のしかたや
    音を出すツールのチョイスが、
    話を分断せず、意味もあり、すごく好みでした。


    役者さんも大きな不安を感じさせずに、
    あたたかく、もの悲しく、
    そしてリアルな町の景色を作っていました。

    特に子ども世代の、設定が独特で、
    彼らの作中での変化が目をみはりました。
    小春ちゃんの恋について頭で考えようとしている(思春期?)ところのまくし立てる感じ、
    背中合わせの二人のシーンは
    「ここのために今までがあったのだろうか…」
    と思わせる意識吸引力でした。


    作中で使われるあの世界独特の単語が、
    観てるうちは覚えているし認識してたのですが、
    音として覚えづらくて、ちょっと説明と思い出しに苦労してます。

    日記録と思い出の違いについての、システム説明をするシーンが好きです。
  • 満足度★★★★

    日常の有り難さ/約115分
    我々の周りに当たり前にある、普段は気にも留めない日常の風景。
    そんな“当たり前”が消えつつある荒んだ未来に我々のよく知る日常の風景が垣間見えた時、そのありふれた光景があんなにも輝かしく、まばゆく感じられるとは!
    普段はなんとも思わない“この世界”への愛惜が募ってくる、痛切だけれど素晴らしい物語でした。

    時々入る、生を謳い上げるような生演奏&生歌が感動に輪をかける。

    未来世界を縛る、“今この世界”にはない“約束事”が少々分かりづらいのがちょっぴり残念。

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