時々は、水辺の家で。 公演情報 時々は、水辺の家で。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    「デッサンから油彩へ」よりは「小説の実写化」な印象
    今まで観てきたリーディングから一般的な芝居にしたものや、ひつじ座やRAFTなどの小会場から普通の劇場へスケールアップしたものは、謂わば「デッサンから油彩へ」という印象だったが、本作はその範囲を逸脱。
    リーディングで(勝手に)思い描いたイメージと異なり「あ、そこはそういう風になるんだぁ」という部分があり、それはたとえば小説やマンガを実写化されたものを観た時のような感覚で、これが演劇では初めてだったので新鮮。
    もちろんイメージ通りだった部分もあるし、観ながら記憶が蘇ったりもしたし、何より須貝作品の特色と言って過言ではない優しさが漂っているし、なのですっかり引き込まれる。
    それにしてもあの学芸員、出番が少ないくせに終盤でオイシイところをさらって行くよなぁ…(笑)
    あと、どちらかと言えば淡々と進行するのに不思議と引き付けられるのは単館レイト上映される映画に近い味わい?

  • 満足度★★★★★

    消失からの再生
    須貝さんの作品は誰にでも何処かしら覚えがある優しくも厳しい、痛々しくも温かい台詞が心地良い。今作もシナリオ本を何度も繰り返し読み返してしまった。水辺の家はわたし達のオアシスであり故郷なのであろう。失くなることが前提で展開するストーリー。確実に失ってしまったものは元に戻ることはないけれど、人々の心に生き続け、そこから再生するものもある。クールなヒロインが子供の様に慟哭し続ける周りで日常が流れた演出に内省を抉られる思いがした。キャストが演じた個性的なキャラクター設定も緻密で実に丁寧で上質な物語に胸の傷口を塞いでいただいた。

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