【東京千秋楽!!】ブリッジしたのはカンガルー(※当日券若干枚!!) 公演情報 【東京千秋楽!!】ブリッジしたのはカンガルー(※当日券若干枚!!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    「ブリッジしたのはカンガルー」
     今日の観劇、1本目は八幡山ワーサルシアターで、わかばやし めぐみさんの出演される、8割世界の「ブリッジしたのはカンガルー」。

     最初から最後まで笑いっぱなしで、最後にじんわり温かくなる舞台でした。この不思議なタイトルの意味も、「そういうことか」と最後にストンと腑に落ちる。

     うだつの上がらない小説家の夫と、そんな夫が不甲斐なく家を出て、自分の事務所を持ってバリバリ働く妻。長らく別居中の夫婦。

     ある日突然、「逆立ちしたのもカンガルー」という小説を書いて、文学賞を取った妙にリアルな夢を見たから、その為に妻に家に戻って、小説のアイデアを出せと勝手を言う夫。

     宙ぶらりんのくされ縁に終止符を打つべく、小説が完成して賞を取ったら離婚することを条件に家に戻り、アイデアを捻り出そうとする妻。小説が完成した時、この夫婦の迎える結末は....。

    というストーリーの舞台。

     凪沢 渋次さんの自分の小説なのに、夢の中で妻の出したアイデアで書いた小説が文学賞を取ったから、家に戻って早くアイデアを出せとせっつき、全て人任せで自分は何もしない夫孝太郎は、半ばまでは妻のかなえと同じに、勝手な男だと苛立つのに、みている内に何だか憎めなくなって来る。

     最後は、何だかかんだと理屈をつけても、結局妻に惚れていて、アイデアだとか賞だとかは単なる口実、ただの強がりで、戻って欲しいのがやっぱり本音かと微笑ましく思えて来る。

     わかばやし めぐみさんの妻かなえは、小気味良くて、きれいで、さっぱりとしていて気持ちよく、かっこいい。孝太郎が、ライナスの毛布のようにヨレヨレとして、妙な心地好さがあるタオルだとしたら、めぐみさんのかなえは、上等で肌馴染みのよいコットン。

     丁々発止の夫婦の舌戦が、テンポが良くて抱腹絶倒の面白さの内に、あっもなくてもいいもの、いてもいなくてもいい腐れ縁。でもなかったら、いなかったら寂しい、腐れ縁結婚の夫婦を通して、結婚て、愛って何だろう?

     人は、何のために、なぜ結婚するのか、なぜ、愛するのか笑いながら考えさせられる。

     夫婦の腐れ縁は、ライナスの毛布のようなもの。あるのが当たり前、無くしてみるとどれ程自分にとって替えのきかない大切で、肌馴染みが良くて、心地いいかけがえのないなものだと気づく。そんなものなんじゃないかと感じた舞台。

     最初から最後まで笑い通しの可笑しくて、面白くて、最後にじんわり温かくなる、カラリと楽しい舞台でした。


                                文:麻美 雪
     

     
     

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