オナラのナラ子 公演情報 オナラのナラ子」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    ナラ子の各世代を演じた女優に拍手
    7/31、高円寺の明石スタジオで上演されたハレボンド第2回公演『オナラのナラ子』公演を、知人のアローズプロダクション代表であり俳優である麻生敬太郎氏と鑑賞。これは共通の知人である高坂汐里が出演していた関係からである。プロダクションで即戦力になる役者が欲しいという麻生氏の言葉に、自分が先日見て即戦力になると思った高坂汐里を推薦したというのが事の経過といえるだろう。

    さて、舞台は一言で言うと、緊張するとオナラをしてしまうというナラ子が経営していたアパートの火災で亡くなってしまった(2015年)のをきっかけにして始まる、ナラ子の子供時代(1972年頃)から亡くなるまでの回想劇という趣向。懐かしい天地真理や小柳ルミ子といった歌手の歌をバックに生き生きと生活する子供から学生時代のナラ子、そしてたこ焼きチェーンのオーナー夫人として充実した生活を満喫していた中年時代を経て、夫と死別してつつましいいアパート経営で生計を立てていた晩年。
    人数の限られた役者が、それぞれの年代のナラ子と彼女を取り巻く人々を交代で演じていく。

    舞台の核は、それぞれの年代のナラ子を演じた役者の演技力。個人的には1972年の頃を演じた元西彩子と1980年の頃を演じた高坂汐里の元気よく明るい演技が気に入った。また、生涯の友人であるサッチンを演じた亀山綾香の熱演も光っていた。2015年のナラ子は劇団初出演の男優・森田武博が演じていたが、これば晩年の渋い雰囲気を上手く醸し出していたのには恐れいった。

    それに対して、男優陣に対する印象が若干弱い。なんというか、ナラ子の人生を左右させる存在の役柄にはもう少し強い個性が必要だったような気がする。

    もう一つ、総じて役者がセリフを噛む場面がやや目立ったのが残念な点であった。

    それにしても、上手い題材を見つけたなぁというのが観劇後に最初に感じた事。
    手作り感も含め、この劇団の方向性はなかなか面白いと思った。次回作品も可能なら観てみたい。

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