満足度★★★★★
冬の陣を観劇。
全公演満席御礼とのことで、自分が観た回も埋まっておりました。
セットはシンプル、その分、人で魅せるということで。
人数の多いところでいい配置でいい画ができていたところ、
また舞台上に1人2人だけでそのシーンを任せるところと、
それぞれ最後列から観ていていいなあと感じることが少なからずありました。
役者側は演り甲斐あったんじゃないかなー。
惜しむらくは公演も終盤の回で声が枯れ気味な人が数名。
台詞で説得力を持たせたいところでやや足らず、なところも少し。
でも熱はしっかり届きましたかね。
殺陣もよかったです。
真田昌幸役の幹山さんが前半に重みを持たせていたのが
後半の加速に繋がっていたでしょうか。
ラストが桜のシーンなので春先の公演だったら感慨一入だったかも。
しかし、全公演満席で終演時の拍手も熱の篭ったものだったのに
Corichのコメントには繋がらないものなのですねー。
満足度★★★★★
「真田十勇伝2015」
昨日は、観劇三昧の一日。一本目の観劇は、お昼に大坂真璃子さんの出演されている池袋シアターグリーンBig Tree Theater で、劇団SHOW特急第7回公演「真田十勇伝2015」夏の陣(ダブルキャストで昼公演は夏の陣、夜公演は冬の陣)。
劇場が終演後にキャストと面会する場所が無い為、面会は出来なかったのですが、開演前、受付を済ませた直後、真璃子さんから「今日は、雪さんの為に踊ります」とキラキラした目でお声をかけて頂いて、とても嬉しい気持ちのまま観劇。
「影の軍団」や「猿飛佐助」などの時代劇やアニメを見て育った世代としては、霧隠才蔵や猿飛佐助、服部半蔵、真田幸村が一同に会するこの舞台は、それだけで既にワクワクするし、世代ではない人でも、男前揃いで、躍動感と切れのある殺陣、ストーリーの面白さに、真田十勇伝の世界の中にするりと入り込んで楽しむことが出来る舞台。
舞台を観て感じたキイワードは、「信じる」。親子、兄弟、仲間、主従、愛する者、自分の理想、自分の信念を信じること、信じ抜き、守り、戦い、散って行く命たち。
散った後に残されるものは、絶望でも悲しみでもなく、散って行った者たちの思いを信じ、胸に留め、散って行った命たちと共に生きて行こうとする強さと希望それを体現し感じさせてくれるのが、元山久恵さん</font>のお清。
先入観なしに、あるがままの相手を観て、信じ切り、信じる者と思いを守るために戦う、強さと深い優しさを持った二階堂隼人さんの真田幸村。
中盤まで、兄を思うがゆえに、自分の能力を隠し、頼りない息子を装っている幸村の本当の強さと能力をしっかりと見抜き、見守り、信じた幹山恭市さの真田昌幸の懐の深さ。
家康側についたとは言え、父と弟を思い命を助けようと説得を試み、葛藤す眞田規史さの真田信之。
先入観なしに、自分を信じた幸村を信じ命をかけて守り、裏切ることなく付き従う久保瑛則さんの霧隠才蔵。
胸に秘めたまま、お清の為に幸村を守り、戦いに赴く斉藤至大さんの望月六郎。
庄野有紀さんの猿飛佐助、高松周平さんの三好清海、谷恭輔さんの三好伊三、宮下浩行さの海野六郎、中村一平さの筧十三、黒澤俊一さんの由利鎌之介、工藤そのかさんの穴山小介、赤羽信之介さんの根津甚八、真田幸村を信じ、惚れて負けると解っている戦に付き従い、命をかける真田十勇士の胸の内にあったのは、ただひとつ「信じる」こと。
その対極にあるのは、息子秀頼を溺愛するあまり、秀頼を守るために良かれとしたことが、歴史を変え、息子の能力を発揮させることを妨げた、愚かではあるが哀しい母の誤った愛を体現する能條由宇さんの淀君。
自分の立場と考えに固執するあまり、全体を見極め的確に対処する判断を誤り、守るべき君主を危険に晒し、結果大事に至らせてしまう、何となくサラリーマンの世界の上司によくいる厄介な上司を体現したような<font 多田聡さんの大野修理。
魅力溢れる、個性豊かな人間たちが織り成す、笑いあり、涙あり、美しく切れのある艶やかな踊りあり、迫力と舞うような美しい殺陣あり、感動あり、切なさありの2時間20分のワクワク、ドキドキするエンターティメント人間活劇でした。
文:麻美 雪