果てとチーク×コワい女シリーズ第一弾 『害悪』 公演情報 果てとチーク×コワい女シリーズ第一弾 『害悪』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度★★★

    凝った作り…
    久し振りの早稲田小劇場どらま館…そこでの「害悪」は詰め込みすぎた印象である。凝らした演出は観にくく理解し難かった。
    しかし、訴えようとする姿勢は真摯で好感を持った。
    その凝った芝居は…。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、少し高い位置に設営し下の席からは見上げるようで観にくいだろう。パイプで三面に区切り、上手は某組織の事務所、真ん中は事務所に勤めている女性姉妹の部屋、下手はその姉妹の寝室(または外の道?)を現しているようだ。そして正面舞台とは別に回廊花道を作り、その真後ろでも芝居を行った。しかし、当日は満席で詰めた状態で、さらに中央通路に増席をするほどで、振り向いて観ることが出来なかった。

    さて内容は、「トロイヤの女たち」をモチーフ...過去から現在に至るまで戦争・紛争を繰り返し、そのたびに幼き子や女性が犠牲になってきた、そのことを人類に鮮烈に問いかける話である。そこには神と人間の存在がある。

    本公演は、下手で戦争に行った夫や息子が戦死(インターネット上の仮想敵国との戦争か?)しても、姿・性格も同じアンドロイドが代わりに癒すという斡旋商売(契約)のようである。一方、その戦争で攻撃している相手がネット上の架空仮想国のようである。この虚実混合した物語に混乱を覚えた。さらに中央では生身の人間が生活しており、三姉妹の会話がきわめて人間的である。同性愛(レズ)、妊娠などのセリフがポンポン飛び出す。

    この現実とも虚構とも言える独特の世界観...そこに見える問題提起。しかし、自分にはテーマの投げかけが、種々のレトリックが用いられているようで理解し難かった。
    仮想敵国を滅ぼしてはならない、という均衡を保もつ姿は、どこかの国の事情を投影しているようで、苦笑した。
    一応、戦死者を慰めるのに不可欠になったアンドロイドは、逆に人間の「悲しみ」「寂しさ」という感情を麻痺させ、戦争・紛争に恐怖を抱かなくなるというアイロニーを描いたのか。それが冒頭、社会的に受容された狂気の契約(クレーム)に繋がるのか。何でも(人さえも)代替可能という、現代の寓話でしょうか。

    なお、観せ方として、セリフが被り、また敢えて同時に離す場面はなお理解しにくい。最後は、凄惨な場面で終わるが、そこには生人間とアンドロイドを確認し合うための行為...そんな近未来が見えるようだ。
    「トロイアの女たち」の「神」と「人間」を「アンドロイド」と「人間」に置き換えたような感じもした。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    あっさりしてるが際立った世界観
    もっとドロドロしてるのかなぁと身構えてましたが、あっさり感が支配的で少し期待外れでした。ただ、演技が微かに血生臭くて落ち着いた感とともに、台詞のリアルな感じが良かった。後半以降は、それが際立ってました。
    お芝居は面白かったですが、劇場のつくりは最悪でした。観ていて首が痛くなりました。

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