満州戦線 公演情報 満州戦線」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    素晴らしかった!
    競演 東西南北 AliceFestival 2014の一環として劇団コルモッキル(fromソウル)を招聘し公演したもの。
    当日配布のパンフには、現代韓国人のルーツを探る、苦く痛烈なブラックコメディ...との謳い文句が印刷されている。
    公演の印象としては、”親日”的であり、戦時中はそうであったのか、という疑問も残るほどだ。同時に、現在の日本メディアによる韓国の日本に対する反日報道に違和感も覚えた。

    本公演は観応えがあり、2回劇場へ足を運んだ。2回目は「競演 東西南北 AliceFestival 2014」の最後の公演にして、実質的なタイニイアリス閉館公演になっている。

    上演は韓国語であるが、舞台上部に日本語字幕が映し出される。

    ネタバレBOX

    当日パンフから...1943年3月、満州の首都、新京。 朝鮮から留学し、満州国陸軍軍官学校(実質的に大日本帝国陸軍士官学校)を卒業した飛鳥(アスカ)の卒業を祝うために朝鮮人の友人たちが集う。彼らは満州でそれぞれ患者を診療し、詩を書き、キリスト教を布教し、市役所の公務員として働きながら暮らしている。
    卒業祝賀パーティーの最中、飛鳥の妹がコチュジャン、朝鮮味噌などを持って朝鮮からやってくる。しかし、彼らは、祖国独立のために闘う独立運動家たちを匪賊と呼んで憎悪したり、朝鮮の味噌壷は虫がわいて非衛生とこきおろしたり、不倫がばれリンチにあっても日本人と結婚し後ろ指さされることのない日本人の子を生み育てたいとを願ったり...。

    そのようなストーリーに、「同期の桜」「君が代」、「旭日旗」「軍刀」「御真影」という極めて日本を象徴する歌や形が道具として使用されていた。特に軍歌や軍旗(現在も使用している)をイメージするものを登場させていることが、現代韓国で上演される場合にどう受け止められるのか...そんな思いもするような公演であった。

    そこには逆説的に、日本に対して歴史認識を鋭く突きつけたのでは...そんな思いもするような芝居であった。
    いずれにしても考えさせられる内容であり、観応えがあった。それは構成もさることながら役者の演技力が素晴らしい。実に軽妙・重厚という使い分けが良かった。

    素晴らしい公演をありがとうございました。

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