演劇集団/反(韓国)「家を去って」 公演情報 演劇集団/反(韓国)「家を去って」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★

    「家を去って」...また来日して観せて!
    競演 東西南北 AliceFestival2014 の一環として演劇集団 反(fromソウル)を招聘し公演したもの。
    公演はギリシャ神話をモチーフにした悲喜劇のような話。舞台構成はプロローグ、エピローグと6場から成るが、”場”における時間の長さは随分と違う...そこに描きたい思いの軽重と、それを特長付ける演出の妙があった。

    さて、公演の中で印象に残るセリフとして、人間は色々なことを考えるから”戦争”をおこすのだと...。その対比になろうか、人間は考える葦である...という言葉も有名ではないか。

    上演は韓国語による。

    ネタバレBOX

    物語は当日配布のパンフから...ギリシャ神話に託して始まる。自殺した娘の命日、家に居なかった父親が失職して7年ぶりに帰ってきた。そこには、他の男を愛した妻と娘、拳銃を持った息子がいた。家に巻き起こる激しい波風は家族のすべてを破壊し、一人残った息子は家を出て行く、まるでオレステスのように...アガメムノン王、娘のイピゲネイア、そして王の息子オレステスが想起できる。

    話は過去に遡る...母と娘は同じ男を愛してしまい、娘は愛した男を撃ち、自殺する。この部分は回想シーンとなっている。そして父親は家に居なかったのではなく、閉じこもっていた...邂逅シーンは最後の6場で怒涛の如く明らかにされる。
    この回想シーンを具体的にしているのが2場と5場であり、その間の3場と4場は神話を比喩した芝居になっている。このストーリーは、具体的な場と観念的な場を上手く観せるという演出の巧みさによって印象付が強調された。

    本当に面白い公演をありがとうございました。

このページのQRコードです。

拡大