Angry 12 公演情報 Angry 12」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★

    Bキャストを観劇。
    元作品「12人の怒れる男」は
    タイトルと陪審員の話だということしか知らずでしたが、
    それ以上の予備知識は不要でした。

    有罪に「合理的疑問」を持った陪審員8号の発言に対しての
    ほかの陪審員達の反論を見ていて、
    彼らの過去やだいたいの性格、
    職業などが推測できるのが面白かったです。
    同時に
    「私たちは冷静に物事を見ているようで、
     実は色眼鏡越しに見ているのだなぁ」とも思わされました。
    それは自分の今まで生きてきた境遇などから培われたもので、
    判断基準として使えば有用だけど、
    一歩間違えると偏見になるのだなぁ、と。

    陪審員と裁判員は違うのでしょうが、
    自分がこういう場に立ったとき、
    冷静に、客観的にいられるだろうか…と考えてしまいました。

    時間が有ったらもうひとつのチームも観てみたかったです。

    ネタバレBOX

    最初のうち、各人物が同じ声量で雑談するシーンがあって、
    そこがすこし騒がしいなぁと思いました。
    各々のキャラクターが分かった2回目観劇なら、
    あのシーンで発言が聞き取れて
    楽しく観れたのかもしれないなぁと思いました。

    息子と喧嘩別れした過去があり、
    その感情を(息子と同年代の?)被告人の少年にぶつけて
    鬱憤はらしをしている節がある陪審員3号が、
    自分の発言で墓穴を掘ったり、
    人の尻馬に乗っていたりしているのが
    端から見ていて滑稽で思わず笑ってしまいました。

    被告を「そういう人種だから有罪」と決めつけていた
    陪審員10号が、後半にわめき立てるシーンでは、
    周りの人が(血の気の多そうな7号までも…)
    彼女を見ないように目をそらしたり背を向けていて、
    一人が激高することで周りが冷静になる、みたいで印象的でした。
    彼女もその後冷静になっていて、
    「感情は言葉に出すことで
     自分でも客観視できるのかな」と思いました。

    激高しても丁寧な(教科書で学んだ通りの?)口調を維持して
    片言っぽいしゃべり方をしていた移民(11号)。
    彼女が作中で発した言葉に、人が人を裁くことの重みを感じました。

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